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78話 ページ32

落ちたナイフを必死に探して立とうとする。
隊長の顔は、歪んでいた


sha「A!いいからっ、こっち来い!」
『あっ!』


無理やり腕を掴まれて、抵抗する間も無く体を地面から離され、気づいた時には担がれて私はなす術なく地面を見ていた
先輩や同僚がこちらを怪訝そうに見ながら様子を伺っている、ああ…そんな目で見ないで欲しい


『た、隊長!おろしてっ、降ろしてくださいッ!!』
sha「うっさい!そんなんでナイフ握らす方が危ないわ!黙って医務室行くぞオラ」
『ッ、で、でも…』
sha「でももクソもないわ」


隊長の声にビクッと体が震える。
こんなドスの効いた気迫のある声を聞いたことがなかった私は完全に萎縮してしまった


有無を言う前に、私は医務室へ運ばれた。
ぺ神様は私の顔を見た瞬間、「ああ…やっぱりそうやんなぁ」と困った顔をしていた。


sn「やっぱ、ゾムの殺気は一筋縄じゃいかんかぁ…」
sha「俺、途中から酔い覚めててんけど、アイツマジの殺気Aに浴びせてたからな」
sn「ホンマ、暴走すると周り見えんくなんのマジやめて欲しいわぁ」
『ッ、…ぞ、ぞむ、さっ!』


彼の名前を二人から聞いて私はまたあの恐怖の波に拐われた。
抵抗できず、ただ恐怖の荒波に呑まれもがくことしか出来ない
体がまた震え、涙が溢れ出る


sha「!ぺ神っ」
sn「ああ、ごめんなぁAちゃん…うかつにアイツの名前出したらあかんわ」
『うっ、うぅ…』


ああ、ほらまた…心だけが波に拐われた。
荒波に呑まれてもがき苦しんでいる心を傍観者のようにただ上から眺めているようなこの感じ。
船もなく、自分も道具がないから、ただ安全な場所で波が治るのを待つしか出来ない。


sn「Aちゃん、落ち着いて?まず、一回深呼吸しようや?」
『や、やだ、ぁ…』


まるで駄々をこねる子供のように、なんの理由もなく首を振り拒否する。
頭では深呼吸して落ち着きを取り戻したいのに、心が言うことを聞いてくれない。


sn「…しゃーないな、ごめんなぁ…強制的に一旦寝てもらうわ」
『っがは…!?』


お腹に凄い衝撃が走り、吐き気を催す。
だがその前に視界が徐々にフィールドアウトしていき、言うことを聞かなかった体の力が抜けていくのを感じていた。

ああ、よかったぁ。
この恐怖から、闇から解放される。


お腹は凄く痛いのに私は安心していた。
視界に捉えた隊長のなんとも言えない辛そうな顔。
なんで貴方がそんな顔してるんですか、笑って下さいよ、隊長…

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アリウサパン?(プロフ) - コメント失礼します!「しない」でお願いします! (2020年8月3日 1時) (レス) id: 870c94650e (このIDを非表示/違反報告)
青葉2号(プロフ) - コメント失礼します!悩みましたが、『する』に一票入れさせていただきます! (2020年8月3日 1時) (レス) id: 5284f259f4 (このIDを非表示/違反報告)
明莉(プロフ) - コメント失礼します!しない!でお願いします! (2020年8月3日 1時) (レス) id: 97974cb528 (このIDを非表示/違反報告)
きずな(プロフ) - コメント失礼します。しない一択で! (2020年8月3日 0時) (レス) id: 9903ddc09e (このIDを非表示/違反報告)
たんこぶ - コメント失礼します。「しない」で投票させていただきます。 (2020年8月3日 0時) (レス) id: 6e4881c6a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にろ。 | 作成日時:2020年7月22日 3時

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