ここが俺達の信じる場所だから arsN ページ9
表題よりちょっと若いくらいのつもり。
昔のにのみやくんのお話。嘔吐描写あり、というかそれがメイン。苦手な方は避けてください
「ごめんなさい、私明日も早いんで、今日はこれまでで。ご馳走様でした、とても楽しかったです」
ぼくは逃げ出しそうな猫を被り直して頭を下げた。
都内某所の高級フランス料理店。
お相手は、新しいCMのスポンサー側のお偉いさん。
ここでご機嫌を損ねたら話も立ち消えになるから、ちゃんとするんだよと事務所の人に脅されてぼくは一番かわいい猫をかぶってやってきた。
かわいい、は割と言われていた。まあそっか。なんだか早いうちに成長をとめてしまった身長も、なかなか筋肉のつかない肢体も、犬に例えられる童顔も「カッコいい」って評価されることはたぶんないんだろうなと薄々勘づいている。
お偉いさんはわらいながら「えー？きみたちそんな忙しそうに見えないけどねぇ」なんて馬鹿にした口調。もういいよ。
じつは気分が悪い。
原因は、とぼくはお偉いさんにバレないように後ろの無駄に豪華な建物を睨みつける。
豪勢なフランス料理の食べ過ぎ。
お偉いさんが車に乗り込んでようやく姿が見えなくなるとぼくはもう立っていられなくってしゃがみ込んだ。
気持ち悪い、おなかがいっぱいで食べ慣れない料理が存在を主張する。マネージャーさんが慌ててぼくを支える。
「二宮くん、ほら、たって」
こんなところで吐かれちゃかなわない、と言いたげにぼくの脇を支えるように立たせる。「どうします？駐車場まで行けますか？車こっちにもってきますか？」
なんでもいいから、トイレに行きたい。
「んぐっ、ーーーーっえ"っ」
なんとかトイレの便器に縋り付いて先ほどまで綺麗なデザートだったものを吐き出す。えずく暇もないほどに口から溢れ出してきたそれの匂いに当てられる。
「お"ぇ………げほっ、んっ！？ぐげぇ、ん……ゲェーーーーーーっっ！？？」
ぼたぼたぼたっ！！！
吐いても吐いても膨腹の苦しみは続く。苦しくて苦しくてどれだけ息を吸ってもそれが胃を痙攣させてさっき食べたものが全部出てくる。
高いものは苦手だってこの業界にはいって何回も思い知らされてきたから普段なら自分でセーブする。
でもきょうはそんなの無理だった。
だってぼくと、嵐の未来を天秤に乗せられてしまったのだから。
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雪音（ゆのん）(プロフ) - なので、きょもほくの「うつくしいひと」のきょも視点をお願いします。 (1月29日 12時) (
レス) id: c18d06783b (このIDを非表示/違反報告)
雪音（ゆのん）(プロフ) - あと、久々にリクエストなんですが、きょもほくの「うつくしいひと」という話を読んでいて、その話のきょも視点が読みたくなりました。 (1月29日 12時) (レス) id: c18d06783b (このIDを非表示/違反報告)
雪音（ゆのん）(プロフ) - こんにちは！お返事ありがとうございます。わかりました！楽しみに待ってます(^o^) (1月29日 12時) (レス) @page3 id: c18d06783b (このIDを非表示/違反報告)
2020(プロフ) - 雪音（ゆのん）さん» お久しぶりです！にのふま、時間ができたら修正してアップします (1月28日 22時) (レス) id: 5073d9421b (このIDを非表示/違反報告)
雪音（ゆのん）(プロフ) - こんばんは！あれ？にのふまの話、消えてる？ (11月3日 17時) (レス) id: c18d06783b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2020 | 作成日時：2021年4月27日 16時
