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気休めでも呼吸が楽になってほしい。松村は生花に触れるようにこわごわと京本の背中に触れる。
少しでも間違えがあれば花弁が落ちるように、すべてが変わってしまうと思った。
「っ、……ふっ、はぁはぁはぁ、ぅ！？？」
びたびたびたっ！
彼の色を亡くした唇から、美しい彼に似つかぬものがゴミ箱へと注がれていく。
唾液の糸が引く。
どうしよう。松村の脳内はまさにパニックであった。
京本に対してどうすればいいのかわからない。
大丈夫か、と問うて、その0.001秒後にはひどく後悔した。
大丈夫なわけがないだろう、僕には目がないのか。
「だいじょぶ、だいじょぶだからほくと」
息も絶え絶えにそう返されて松村を襲ったものは絶望だった。
それはきっとやわらかな拒絶だったから。
松村は京本が抱えているものを知らない。
今日偶然ドアの前で話を聞かなければ、松村は京本がストーカーにあっていることもわからぬままだったろう。
やらかしやストーカーの存在は自分が思っているより神経が削れる。
商品としての自己とプライベートな私性が自分の中で葛藤を越えて暴れまわる。
何処でも、何時でも。常に緊張の糸を張り詰めなければいけないのは、身体も精神も持たない。
やがて何人かの大人が訪れて、今日の撮影は延期にした、と告げられた。京本は病院に行こう、と言われしぶしぶといった様子で立ち上がる。ふらふらと自分の身体を持て余しながら、それでも誰にも寄りかからず、緩慢な動きで去っていく彼を松村は直視できなかった。
自分のマネージャーが車を回してくる間、松村の心臓は早鐘を打ちっぱなしであった。
スマートフォンを弄る振りをしながらも、耳はざわめきをとらえていた。そして聞こえてしまう。
「これ、捨てちゃって大丈夫ですよね」
「あーうん、あぁ、それどこかで見たと思ったら」
"ストーカーに押し付けられたものと同じ”
厳密にいえば同じではなくストーカーのものは聞くに堪えないグロテスクなアレンジがなされていたそうだが、京本はそれをその場で食べることを強要されたらしい。
今度こそ自分の掌が凶器になった気分だった。
彼を傷つけていたのは最初から最後まで僕だった。
知らぬストーカーの影と自分が重なる。
好意もケーキもひとりよがりだったと。
体が震えないように左手をぐっと握る。爪が掌に食い込んで赤いしるしを松村に残した。
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雪音（ゆのん）(プロフ) - なので、きょもほくの「うつくしいひと」のきょも視点をお願いします。 (1月29日 12時) (
レス) id: c18d06783b (このIDを非表示/違反報告)
雪音（ゆのん）(プロフ) - あと、久々にリクエストなんですが、きょもほくの「うつくしいひと」という話を読んでいて、その話のきょも視点が読みたくなりました。 (1月29日 12時) (レス) id: c18d06783b (このIDを非表示/違反報告)
雪音（ゆのん）(プロフ) - こんにちは！お返事ありがとうございます。わかりました！楽しみに待ってます(^o^) (1月29日 12時) (レス) @page3 id: c18d06783b (このIDを非表示/違反報告)
2020(プロフ) - 雪音（ゆのん）さん» お久しぶりです！にのふま、時間ができたら修正してアップします (1月28日 22時) (レス) id: 5073d9421b (このIDを非表示/違反報告)
雪音（ゆのん）(プロフ) - こんばんは！あれ？にのふまの話、消えてる？ (11月3日 17時) (レス) id: c18d06783b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2020 | 作成日時：2021年4月27日 16時
