＊ ページ10
「おい、起きろ。」
「…っ？……？？」
天使の歌声に交じる、柔らかなバリトンボイス。脳内にこびりつくような中毒性の高い声に、意識が戻る。目を開けて一番に見た、少し呆れ顔のグルッペン。彼の息がやけに温かく感じた。
向こうに、少し赤みを帯びたステンドグラスの陰が伸びる。少しごわついた赤いカーペットの感触。上体を起こし、背後を向けば、祭壇と救世主の十字架に吊るされた姿。
ーーー私、今、何を。
「…あ、れ…？」
「びっくりするわ、車にもおらんからどこおるかと…ほんならこんな所で寝転がって寝とるしな…。」
「…ね、て…？ま、まって、私、さっき…」
「？まだ寝惚けてるのか？1発ビンタしてやってもええで？」
「お、起きてるわよ…！！」
目の前の現象に理解が追いつかない。おもわず立ち上がって、先程入った雰囲気があるガラリ、と変わった石畳に繋がる入口を探す。
…ない、どこにも、ない。
「あ、あら？わ、私、さっき…聖歌隊の、男の子達と…。」
「はぁ？そんなもんおらんわ、そもそも"聖歌隊なんてない"。」
「…え？」
「全く、君という子はいつまで経っても…」
「…。」
「…あなた、は…？」
「あぁ、ここの神父を務めてるおじいさんだよ。この子が小さい頃から、ずっと面倒を見てたんだよ。」
そう言って、グルッペンの後ろから歩いてきた優しい老父。彼の背中を優しくぽん、と叩くと、グルッペンは照れくさそうな顔をした。…彼も、孤児院出身…？
「…ま、境遇はAと変わらへん。」
「だから知ってたのか…っで、でも本当に居たわよ！沢山の小さな男の子達が、ミサ曲を歌ってた…！！」
「おや…珍しい。まさか貴女もなんて…」
「…？」
「この教会、もうかれこれ100年前からあるんですよ。政府からキリスト教を弾圧されたころ…この孤児院となった教会で、こんな山奥に建てられたんです。
たとえ疎外されても、疎まれても、害を与えられても、彼らは、それでも神の子で居ることを願った。
それを示すために、自分達の子供を聖歌隊に入れたんですよ。
ーーー貴女は、その聖歌隊の子供達の魂に巡り会ったのですよ。」
…微かな、子供達の笑い声。楽しかった、まるでそうとでも言いたげに。確かに、繋いでいた小さな手の温もりが忘れられない。ボーイソプラノだって覚えてる。
「…それには一つ、ジンクスがあってね。」
貴女を愛する人がすぐそばで、
貴女と一緒になる事を望んでいるという意味から、
想い人をここに連れてくると、
その恋は実る…と言われてるんですよ。
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国民 - 我々だと最俺、牛ガッチなど、好きすぎて好きです(？)夢主ちゃんはもっと好きです！体調に気をつけて更新頑張って下さい笑 (2018年1月14日 15時) (
レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
りゅう(プロフ) - んほぉぉああ！好きですぅぅ！！頑張って更新してくださいぃぃ！コメント失礼しました。 (2018年1月3日 22時) (レス) id: e6395b6757 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - なんて作品をお作りになられたんですか…好きです。頑張ってください！ (2017年12月16日 8時) (レス) id: fb737c5190 (このIDを非表示/違反報告)
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