S.2:10年来の懺悔 ページ8
S.2:10年来の懺悔
久々の車だ。
ここ最近、色々な事が起こりすぎて乗り回せてなかった。車に乗り込むや否や、満たされる革の匂い。仕事用のメガネをもう一度かけ直す。そしてエンジンをかける。唸る低音。
それと共に、後部座席に乗り込んだ金髪に赤目の男。グルッペン。少し冷えた季節に入ったニホンは、町中でもコートを着る人間が増えた。彼もそトレンチコートを上手く着こなす。あぁ、確かにモテる理由も分からなくもない。
「ん」
「あっつ！！やめて頂戴よ後ろからっ…！！って、カフェオレ…」
「冷え症やろ。これで温めとけ。」
「…ありがとう…」
ミルクたっぷりカフェオレ、と名付けられたそれを両手で持つ。幸い、エンジンが温まるまで時間がある。両手にじんわりと伝わる温かさを感じながらひと口。…ひどく甘い。というか、彼はなぜ私が冷え症だなんて分かったのだろうか。
「…行けますよ、珍しいわね、アンタが直々に乗り込むなんて…いつもはコネシマとかじゃないの？」
「まぁ、今日は俺が行かんとな。住所ここや。」
紙をぺらり、と受け取り、カーナビに打ち込んでいく。聞いたことのない住所だ。トウキョウで始まっているのは確かなんだが、何処だろうか。検索中、と表示されて数秒後、示された住所の施設名を見た。そして彼の顔をフロントミラー越しに確認する。…こんな奴が、こんな所に？
「…訳があるんや、さっさと出せ。」
「は、はぁ…」
ーーー別にそんな恥ずかしがらなくても。
▽▲▽▲
きい、と音を立てて、大きな二枚扉が開く。誰もいなくなったそこは、ただただ浄化された時間だけが過ぎているようにも感じた。心地いいぐらいに、懐かしい、見慣れた場所。宗教画を象ったステンドグラスは、丁度この時間に差し込む太陽の光で、赤い道に色鮮やかな影が伸びていた。
「…こんな所に、あるのか…」
教会用の小さなパイプオルガン。聖歌隊が並ぶ整列台。祈りを捧げる人のための、使い古された聖書。真正面にはメシアの姿。静かな森の中、時間を告げる鐘だけが木霊する。
聖なる場所、それだけで息を呑む。そのメシアの姿を見ずとも、太陽の光を射し込ませるステンドグラスの輝きで分かった。
「…」
真っ直ぐバージンロードを歩いていく。祭壇の前まで歩むと、そのまま膝を床につく。そして、幼い頃、毎日の礼拝でやったように、いつも持ち歩いてたロザリオを取って祈りを。
嗚呼、救世主様。
愛した者を救うために、
私の手を血に染める事を、お許しください。
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国民 - 我々だと最俺、牛ガッチなど、好きすぎて好きです(？)夢主ちゃんはもっと好きです！体調に気をつけて更新頑張って下さい笑 (2018年1月14日 15時) (
レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
りゅう(プロフ) - んほぉぉああ！好きですぅぅ！！頑張って更新してくださいぃぃ！コメント失礼しました。 (2018年1月3日 22時) (レス) id: e6395b6757 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - なんて作品をお作りになられたんですか…好きです。頑張ってください！ (2017年12月16日 8時) (レス) id: fb737c5190 (このIDを非表示/違反報告)
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