相合傘の魔法[tntn] ページ3
＊タイトル:確かに恋だった。様より
天気予報を信じている訳じゃない。
だけど、やはりそれはひとつの目安であって、出掛ける前は傘がいるかなぁ、とか考えてしまう。
今日の降水確率は0%、傘はいらないでしょう、なーんて可愛い女性天気予報士が純粋な笑顔で言われれば思わず荷物軽減の為に折りたたみを抜いてしまう。
｢ーーー最っ悪！！！｣
そしてこれだ。
久々の定時上がり、このまま家に直行して明日の休日に備えよう、と思いビルを出れば土砂降り、あの笑顔は小悪魔の笑みを含んでいたかと思うと腹が立つ。恨むよ、恨んでやる。
｢あ、Aちゃんお疲れ〜入る？｣
｢ううん、千歳ちゃん逆方向でしょ？大丈夫！何とかして帰るから！｣
｢ご、ごめんね〜じゃあお疲れ！｣
｢うん、ばいばい。｣
ため息が出る。
いつも傘を持ってる時に限って雨が降らないくせに。なんで天気の神様はこういう時に限って悪戯するんだ。神様に嫌な事があったんだろうか、はぁ。
((…走って帰るか。))
そう思って濡れたコンクリートの上に一歩目の足を出そうとしたその時、ぐい、と後ろに引かれた。
｢ふぁっ！？と、トントン先輩！？｣
｢お前何普通に帰ろうとしとんねん。｣
｢て、定時上がりなんですね珍しい！！｣
｢それを聞いてるんちゃうわ。｣
うちの上司、トントンさん。
社畜と言われれば典型的な彼。残業まみれでいつも帰るのは遅い(らしい)。それでも彼の仕事ぶりは有名で、周りの女子からはイケメン、と呼ばれる的である。そんな彼が定時上がりとは、珍しい。
｢で？AAさんはなにしようとしてたんですかねぇ？｣
｢帰ろうとしてましたー。｣
｢こんな土砂降りやのにか？｣
｢まー、傘忘れちゃったんで。走って帰ればなんとか…｣
｢そんなんあかんわ、ほら、行くで。｣
｢えっ？どこにです先輩？｣
ぐい、と手を引っ張られて収まった赤い傘の中。隣には先輩。所謂相合傘。見上げる位置にあるトントン先輩は、街頭越しの光の赤で顔全体が赤く見えた。
｢先輩逆方向でしょ！？｣
｢ええの、お前が明日こーへんかったら困るし。｣
｢仕事が待ち焦がれてますからね〜｣
｢…｣
｢ーーー？今ーーー｣
｢はよいくで、雨止むまでどっかで飲みに行こ｣
｢せ、先輩！！？トントン先輩！？｣
すたすた、と歩いていく先輩。ちょっと後に残された私に見えた、右隣に歩く先輩の右肩が少し濡れていた。
ねぇ、先輩。耳が赤いのって、
･
『…お前が来いひんと、俺がいややし。』
その言葉、期待していいんですよね、先輩。
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M - こんにちは！リクエストよろしいですか？ろーるロールキャベツ系男子のひとらんらんの話をお願いします！ (2018年2月25日 8時) (
レス) id: fc1a0c98bb (このIDを非表示/違反報告)
ペポパノムスビ - ぺ神二人で真剣にゲームをやるだけのほのぼの系が欲しいです…！書けたらで良いのでよろしくお願いします！ (2018年2月11日 15時) (レス) id: 14d9026855 (このIDを非表示/違反報告)
ラックル速用錠(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいております。ぞさんがただただ褒めてくれて寝かしつけてくれるのが読みたいです…。お時間に余裕がありましたら、よろしくお願いいたします！リクエストに不備がございましたら遠慮なく…！ (2018年2月4日 0時) (レス) id: 015decf460 (このIDを非表示/違反報告)
鮎(プロフ) - コメント失礼します！リクエストですが、11/11のポッキープリッツの日はいかがでしょう？と言っても日にちは少し過ぎてしまいましたがw いつも楽しく読ませていただいております！これからも頑張って下さい！ (2017年11月12日 8時) (レス) id: 616a8468f6 (このIDを非表示/違反報告)
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