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zm side
Aが突然誘拐された。
そこから3時間。俺達はすぐさまAの捜索へ。俺は港の廃倉庫に向かっていた。そしてその隣には目の前で見てしまったシャオロン。前は、Aに少し反抗的な態度を取っていたが、今はもうただの煽り仲間だ。
「…俺が、もうちょっと早い事動いたら…」
手が届いたのに。そう言いたげだった。
「…仕方ないやん、取り敢えずAが無事でいるかどうかや…。」
「殺されてへんやんな?」
「…その可能性は低いけどなぁ、」
もうそろそろ不味いやんな。と、言葉をこぼした。
Aが彼らの情報を知ってる。そしてダークホースの奴らは情報が漏洩される前に情報を持っているやつは徹底的に排除する。奴らがやけにAを大事にするから、どうなるか…俺らが宣戦布告をするのはとうに分かってたのだろうか。
歩みをすすめる足が、止まる。
「…ゾム?どした?」
「…あれ…」
目の前に、誰かが立っていた。霧がかかってあまり良く見えない。黒い、七つの影が浮かび上がるとともに、俺は直感で察した。
「…っ、Aはどこいったんや!!!」
「はっ?ちょ、ゾム!!?」
「7人…ダークホースの幹部のメンバーや!!!しかもローブ着とる!!」
「っ、ほんまや…!!」
その叫びに、にたぁ、と笑って、騒ぎ立てる子供を鎮めるように人差し指で唇を抑える。「…これ以上近付いたら命はない」と言いたそうに。
「っなぁあれ!!あの男が抱えてんの…!!」
「っA!!!」
ある一人の男が何かを両手で抱えていた。その姿は俺達が探していた姿。男の腕の中でぐったりしていた。
奴らは、Aを地面に優しく横たわらせると、ローブを翻し、霧の向こうに消えていった。シャオロンが追うも、その姿はもうどこにもなかった。取り敢えず連絡をする。
「…っもしもし、グルさん、見つけた。すぐ連れて帰るわ。結構弱ってる。…ん、ペ神によろしく。」
「…っぅ…」
「Aちゃん、大丈夫!?」
「っA!!俺らの事分かるか?!」
「…しゃお、ろん…と、ぞ、む…」
「せや、俺やで、A…っうぉ!!?」
突然Aが俺に抱きついてきた。余っていた体力をすべて使ったのか、もう彼女の息は浅くなっていた。震えている。そして、彼女はか細く泣いていた。耳元で零した、確かな決意。
「…戦う。」
「?」
「私、戦う。ダークホースと、戦う。」
「A」
・
「お兄ちゃん達を…神父様を…助けなぎゃぁ…!!」
まるで彼女のルールに、例外が付き物だとでもいうように。
Happiness depends upon ourselves.→←*
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しらたま。(プロフ) - 信者さん» 貧血には注意してくださいね、ありがとうございます! (2017年10月31日 21時) (レス) id: 626c66f5a9 (このIDを非表示/違反報告)
信者 - 続編おめでとうございます!楽しみにしてました!教授のあまりのかっこよさに血吐きました。これからも更新楽しみにしてます! (2017年10月29日 20時) (レス) id: d26dcbfb3b (このIDを非表示/違反報告)
しらたま。(プロフ) - チェリー☆拓郎さん» ありがとうございます! (2017年10月29日 15時) (レス) id: 626c66f5a9 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー☆拓郎(プロフ) - 続編おめでとうございます!! (2017年10月29日 10時) (レス) id: ad3a02f993 (このIDを非表示/違反報告)
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