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S.6:宣戦布告 ページ40

S.6:宣戦布告


《__様ぁ!!アヤカが俺の苺盗った!!》

《あぁ〜ごめんなさぁい〜最後まで残してたからぁ〜嫌いなんだと思ってぇ〜》


…なんだか懐かしい。
あの方がまだ生きていらっしゃった頃の記憶だ。このケーキは…殺される前日だったか。珍しくあの方がケーキなどの贅沢品を買ってきた日。


《こらこら、セカンド。人の物は盗ってはいけませんよ?》

《えぇ〜…》


…Jがいない。
ふ、と、後ろを振り向くと、ぼぅ、と突っ立ってこちらをみているJ。今の姿とは比べ物にならないぐらい幼い。でもこの頃から洞察力は強かった。




《…おや、フォース。どうしたのですか?ぼぉっ、と向こうを見てーーー》














《…Aが、真実をみつけようとしてます。》


「っ!?」


《ーーーおや、それはいけない。その目を盗ってしまいましょう…?》










「っはっ!!?」


ーーーそうだ、これは夢だ。ありもしない夢だ。生きてたらいいなぁなんて、ただの反実仮想に過ぎない。汗ばんだ肌。張り付くネグリジェ。ペットボトルの水をいつもより多く飲んだ。

深夜1時のトウキョウはやけに静かだった。猫の鳴き声。カラスの鳴き声。誰かの声。銃声すら聞こえない。


ーーー今のは、何。

あの方、私の目を取ろうとした。


あぁ、なんだか震えてきた。寒くもないのに、息が浅くなって、過呼吸を起こしそうになって、冷や汗が止まらない。ぽたり、ぽたり、と頬を伝った何故か流れる涙。


怖い、怖いよ。
誰か、誰か助けて。


アヤカが消えた、それだけでも怖いのに、こんな夢を見たのは初めてなのに、こんなに容赦ないほど恐怖が襲ってくるなんて。



「…っは…」



震える手で携帯を取ると、適当に連絡先を押した。響くコール音。ただ応答することを願って耳に当てる。奥で聞こえた微かな騒音、そして、低い声。この声は。





《どうしたん?…A?》

「ゾム?ゾムよね?」

《なんや突然、あっ、もしかしてAから誘っーーー》














「…私、死ねばいいのかしら…?」



こんな言葉しか出ない。
情けないかもしれない。けれどただ、今はそうじゃないと、同情がもらえないと、心が鰹節のように削られていくような感じがした。

自意識はない、けれど最近弱くなった。
原因はきっと、私の心を弄ぶダークホースのせい。



《…待ってて、すぐ行くわ。》




エンジン音が聞こえるまで、あと。

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しらたま。(プロフ) - 信者さん» 貧血には注意してくださいね、ありがとうございます! (2017年10月31日 21時) (レス) id: 626c66f5a9 (このIDを非表示/違反報告)
信者 - 続編おめでとうございます!楽しみにしてました!教授のあまりのかっこよさに血吐きました。これからも更新楽しみにしてます! (2017年10月29日 20時) (レス) id: d26dcbfb3b (このIDを非表示/違反報告)
しらたま。(プロフ) - チェリー☆拓郎さん» ありがとうございます! (2017年10月29日 15時) (レス) id: 626c66f5a9 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー☆拓郎(プロフ) - 続編おめでとうございます!! (2017年10月29日 10時) (レス) id: ad3a02f993 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しらたま。 | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2017年10月28日 23時

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