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「ですが、どうして、これを?この前のパーティーで久々に会ったんですが…何回電話をかけても繋がらなくて…」


それを告げると、キヨさんが何故か苦虫を噛み潰したような顔をした。他の人間も暗い顔をした。



「…死んだ。」

「…え?」

「昨日の夜…呼び出されて行ったら…会う前に殺された…」



嘘、だ。
頭が真っ白になる。キリザキが、彼が、死んだ?まさか、パーティーの最後に言った台詞は。



《…けっ、どっかで事故って死んでろ。》




《じゃあなシノダ。"元気でやれよ"。》



いつも嫌味を吐いて消える彼が、元気でやれよなんて、言うはずがなかった。まさか、アイツ、殺されるのを分かってて、私に情報を…?



「…パーティーで知り合ってたとはな…っておい、何泣いてんだよ…!」

「…ぇ、」


あぁ泣いてんだ。頬に伝ってるこれは、視界がゆらゆら揺れて綺麗なのは、目から溢れ出るこれは、涙なんだ。人がいるなんて知らない。拭けない、拭けない。拭うには大きな代償を払ってしまった。その可能性を忘れていた。情報が出回ってしまったら殺す、その事を。

ぐ、と片目が覆われた。明確になった片目で分かったのはひとらんがハンカチで優しく涙を拭いてくれたこと。



「…少し…独りにさせてください…わざわざ…ありがとうございました…」


△▼△▼



「…見てみる、か…」


一人静かに泣いた後、静まり返ったドライバー室の真ん中に置かれた手帳を手に取った。幸い中は見られないように流暢なフランス語で書かれていた。



「…彼もやっぱり、探ってたのね…」



事細かに記入された1枚1枚のページ、それは新聞記者のようで、殴り書きに加え、走り書きでもあった。
しかしらあれ以上の考察や推理は出せずにいる。…家に帰って、それからでいいか…。



「…あれ…?」



白紙のページが続いた後、見開きの右のページの真ん中に書かれた文字。《憎きMs.トランスポーターへ》と書かれている。ここまで嫌味をいうか、と呆れつつ、次のページ。するとぎっしりと私あてのメッセージ。


それを全て読み終える頃には、私はまた泣いていた。
次はしゃがみこんで、声を抑えて、でも時々喘ぎながら、子供のように泣きじゃくる。でもその涙には、どこか決心があるようにも見えた。最後のページに引っ掛かった、アイオライトのネックレスと、小さな指輪。



「…しかと受け取ったわ。絶対に私が解いてみせる。」



彼の気持ちを、しっかり身につけて。

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しらたま。(プロフ) - 信者さん» 貧血には注意してくださいね、ありがとうございます! (2017年10月31日 21時) (レス) id: 626c66f5a9 (このIDを非表示/違反報告)
信者 - 続編おめでとうございます!楽しみにしてました!教授のあまりのかっこよさに血吐きました。これからも更新楽しみにしてます! (2017年10月29日 20時) (レス) id: d26dcbfb3b (このIDを非表示/違反報告)
しらたま。(プロフ) - チェリー☆拓郎さん» ありがとうございます! (2017年10月29日 15時) (レス) id: 626c66f5a9 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー☆拓郎(プロフ) - 続編おめでとうございます!! (2017年10月29日 10時) (レス) id: ad3a02f993 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しらたま。 | 作者ホームページ:p://  
作成日時:2017年10月28日 23時

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