[wrwrd!] Hard aport !!! ~Ⅱ~[実況者] (ページ2)

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「……ん、順調やね。」

「ありがとうございます、しんぺい神。」

「いいよー、……んで、相変わらず、あの二人は避けてるん？」

「……はい、」

……事は冬の事であった。

南の國から宣戦布告を受け、防衛戦として迎えたとある戦争のこと。幹部全員は本陣の中にいた。かく言う私はと言うと、この前の海戦に付き合ったからと、グルッペンの隣にいた。

勿論我々國の勝利は確実なもの。そこまでは良かったのだ。そこで本陣から、コネシマとシャオロンの護衛の元、少し外に出てみた。血なまぐさい匂いには慣れはしなかったが圧巻だった。

ーーーその時であった。

「……まさか敵が、照明弾持って突っ込んでくるとは思わんかったやろ。それにいち早く気付いたAが2人をかばった……。そりゃあ、あいつらは自分を責め立てるで。」

「ですが……2人は軍人です！！！しかも陸の……っ！それこそ失ってしまったら……。」

「それはAにも同じ事言えるで？まぁ、不幸中の幸いやったのは、距離が遠かったってことや。その目はちゃんと治る。……長い時間かかるけどな。」

それだから、なのか、それも世の理というのか。私は右目を一時的に失明してしまっている。だからといって困ることはない。ただ見えていた世界が狭まっただけで、少し不便になっただけだ。

「まぁでも、その自己犠牲も昔から変わらんなぁ。Aも女の子やし、自分を大切にしなあかんで。」

「……仰いたいことはわかりますが……軍人に怪我はつきものでは？」

「……なんて言えばわかってくれるんやろうなぁ……。うーん、簡単に言えば、みんなAの事が大切やねん。まぁ建国前から世話になっているんやもん。頼りたいし頼られたい。みんなそう思っとるんよ。」

「……しんぺい神は？」

「男の下の面倒を見てあげたいぐらい俺も大切やと思っとるで？」

「……んんっ、野暮なことをきいてしまいましたね。」

「まぁまぁ。ーーー取り敢えず、時々眼帯を外して、光に慣れさせるところから始めよっか。太陽光はまだやで？例えば……ランプとか、ロウソクとか。無理せずに、ゆっくり視力戻していこか。」

「はい、ありがとうございます。」

「……あぁ、せや。」

ゆっくりと立ち上がる。それでは私はどうしたらいいものか。彼らに怒っている訳なんてありえないし、別にこうやって避けてほしい訳でもない。そんな思考が染まる時、しんぺい神に呼び止められた。振り向けば、優しい笑顔で、親指を立てた。

「何事も、ゆっくりからやで。」

……ゆっくり、か。