Fiona Ⅲ ─ イナズマイレブンGO (ページ9)

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「久しぶり。待っていたよ」

優しく滑らかな声が、Aの耳をくすぐる。

『久しぶり！元気にしてた？』

「勿論！ Aも元気そう。
それに、随分と早起きだね？」

シュウはすぐ隣に腰掛けた。

『うん。
実は、昨日島に来たのだけれど、訳あって外に出られる時間がなかったの。
だから、今日こそはと思ってね』

「そうだったんだ。
朝から会いに来てくれるなんて、嬉しい」

顔をほころばせる彼を見て、自分だけが再会を楽しみにしていたのではないと分かり、幸福感に満たされる。

眩しい朝陽が二人を包み込んだ。

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「前に、Aとサッカーをする約束をしたよね。
覚えてる？」

『うん。ちゃんと覚えてるよ』

「僕から言ったのに、格好悪いんだけど一つ頼みたいことがあるんだ。
ボールを貸してもらいたくて……いいかな？」

『ふふっ。いいよ。
私も、自分のではないけれど向こうには山ほどあるし、次から持ってくるね！』

「ありがとう、A」

特訓をする為にゴッドエデンへ来たのだが、Aにとってはシュウとの約束も同じくらい大事だった。

その件について相談をすると「サッカーならいつでも出来るし、暇な時にまた森へ来てよ」と言うので、彼の言葉に甘えることにした。

折角の春休みを無駄にする訳にはいかない。

気持ちを切り替え、Aはシュウに別れを告げると、頭に入れたスケジュールを思い出しながら早足でゴッドエデンへと戻るのであった。

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