Fiona Ⅲ ─ イナズマイレブンGO (ページ24)

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「A、ちょっと向こうの方を見てて」

シュウは服のポケットから何かを取り出すと、片手に握りながらAの後方へ移動する。

背中を覆う綺麗に伸ばされた髪が、ふわっと宙に浮く。

シュウは頭のやや高い位置に、ヘアゴムを使ってAの髪を緩く結んでみせた。

「これでどうかな？」

『わざわざ結ってくれたの？』

「うん！凄く似合ってる。
そのヘアゴム、Aにあげるよ」

『良いの？
ありがとう、シュウ！』

彼は前髪の先端を赤色と白色に染め上げ、左右で二つに括っていた。

太陽に照らされ、お揃いの紺碧色の髪飾りは輝いていた。

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森の中のサッカーコートで、気が済むまでひたすらにボールを蹴る。

シュウと過ごす時間はあっという間に感じられた。

日が暮れてしまう前に、ゴッドエデンには戻らなければならない。

Aのまとめ上げられたポニーテールがユラユラと靡いて動く。

その日、彼に初めて化身を見せた。

『精霊 Charlotte(シャルロッテ)』

光り輝く細長い綺麗なシルエットは妖精を連想させ、艶麗(えんれい)に微笑む口元はミステリアスな雰囲気を醸し出している。

躰からは眩い光の粒がとめどなく放出されており、シュウはその圧倒的な美しさに思わず見とれてしまった。

化身は、Aが祈りを捧げる動作を解くと、魂が燃え尽きたようにして儚く消えた。

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