Fiona Ⅲ ─ イナズマイレブンGO (ページ22)

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けたたましいサイレンの音で、Aは目を覚ます。

新学期が始まって一ヶ月が過ぎた。

ゴッドエデンでの「起きる・練習する・寝る」が繰り返される生活にも慣れ、文字通り寝ても覚めても練習の毎日を送っている。

『(さて、朝練に行くか……)』

それは、厳しい特訓を受ける訓練生達にも当てはまっていた。

春休みからの僅かな期間だけで、約四分の一の訓練生が島を去っていった。

殆どが、練習に着いて行けなくなった者や規則を破りペナルティを受けた者達である。

弱者は言うまでもなく、教官に逆らった者は排除されていき、入れ替わりで新たなプレイヤーがゴッドエデンへと収容された。

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Aはそんなゴッドエデンで、自らが望んだことでは無かったが ─ 教官らとも肩を並べられるかそれ以上の偉力を手に入れていた。

これまで何度も、性懲りも無く起こる問題にAが割って入り、訓練生達を巧みに引導しては上手く丸め込んできたためだ。

その様子を見ていた訓練生だけでなく、教官達からも彼女は評価された。

そのおかげか、以前のように自身の特訓を妨げられたり、訓練生達が見えないところで自由勝手に行動を起こすなど規則に抗うことも無くなってきていた。

段階的に、ゴッドエデンの中で最高峰を極める立場になったと言っても間違いでは無い。

なかには " ０番 " に対しての帰属を誓い、憧れを抱いて尊ぶ者もいるという。

Aの全ての行動は自分やサッカーのために、ゴッドエデンでの平和な日々を守るためにした事である。

とは言うもの当事者の彼女にとっては、ただ害となる虫を掃滅させた程度に過ぎなかった。

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