青学に来たのは神の子の弟

ねぇ、兄ちゃん...そんな顔しないで ページ19

この日、Aは病院に居た


理由は簡単









精市の見舞いに




精市「ごめんね、A...大会だったあるのに」

ベッドにいる兄ちゃんは、いつもみたいに俺に笑った

『別に大丈夫』

精市「ありがとう」






けど、いつもと違う

俺にはわかるよ、兄ちゃん
なにか隠してるでしょ



精市「ねぇ、A..」

『なに？』

しばらく黙っていた兄ちゃんが、口を開いた

精市「俺..さ」

『...』

精市「もしかしたら、テニス出来ないかも..」

『.........えっ？』

精市「たぶんだけど、でも..そんな気がするんだ」









兄ちゃんは、弱々しく笑った

『...だって、治るって』

精市「うん、けど、どうしようもない事だってあるよ」

頭が回らない


兄ちゃんの言葉が入ってこない





精市「A？」







『....嘘だ!』

俺は叫んでた

精市「..」

『兄ちゃんが、テニス出来ないなんて..そんなの』



精市「ごめんね、A」

違う、兄ちゃんは悪くない







精市「いつまでも、お前の目標で居たかったけど....ごめんね？」


『...』

やめて、兄ちゃん

そんな顔しないで..








精市「泣かないで、A」

『っ..』

兄ちゃんは、優しく、俺の目元を拭った

精市「Aは笑ったほうがいい」

『違..う.....』

精市「...」

苦笑した兄ちゃんは、そのまま俺を抱きしめた


精市「A..お兄ちゃんは、別にテニスが出来なくても、Aが楽しそうにしてるのを見てるだけで充分だよ......だから、Aはテニスを辞めないで...俺じゃなくても、真田や蓮二..立海メンバーがいる...Aの目標は、たくさんある」









『ち..が』

精市「大丈夫..Aは悪くないから」







兄ちゃん..





精市「大丈夫だよ...泣かないで」







やめて、兄ちゃん...
そんな顔しないで

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