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episode.20 ページ20

低い声と共に私の後ろから白くて細い腕が伸びてきて、私の腕を掴む先生の腕を爪が食い込むような強い力で掴み上げた。


私ははっとその腕の先を確認すると、猿比古が鋭い眼差しを先生へと向けていた。

「さ……猿比古……?」

猿比古は名前を呼んだ私を軽く後ろに押し、その場から遠ざける。


私を遠ざけるのと同時に、先生の腕を軽くねじり先生の手が私の腕から離れる。



先生「いっ!!………てめぇ!!教師に手を出してただで済むと思ってんのか!!???」

猿「教師が生徒に手上げていいと思うのか?」

先生「なっ…!!………それはそこの女が俺の重要な書類を……!」


猿比古は先生が言い終える前に、先生の顔の目の前に一枚の紙を突き付ける。

猿「お前があいつに処分棚に置くよう指示した書類だ」

先生「なんで……俺はそんなこと指示して……!」

猿「…どうせタンマツいじって人の話を聞いてなかったんだろう………その癖、書類が処分されたら生徒に責任を押し付けるとか……」



「……クズだな、お前」


猿比古のその冷たい表情と声に、先生の顔つきが恐怖を帯びた表情へと一気に一変した。

先生「っっ……今回のことは無かったことにしてやる」

そういって立ち去ろうとする

猿「チッ………おい」

猿比古は先生へ舌打ちを向けた後私のほうへ振り返り、歩み寄ってくる。

「さ、………なんで………」

猿「チッ…なんでじゃねぇだろ……何かされたか」

「う、ううん…なんとも、ない」

私ははっと榎本さんのことを思い出し、振り返ると榎本さんに特に外傷もなく問題無いようだった。

私は安心してほっと肩を降ろした。

猿「チッ……俺は仕事に戻る」

「あ!!……待って!!」

私は何も言わず立ち去ろうとする猿比古の背中を追いかけて部室を飛び出す。

猿「チッ………なんだ」


「な、なんでさっきの書類…!!」

猿「……お前ら様子を見て、予備のために同じ書類を用意しておいただけだ……用がそれだけなら俺はもう行くぞ……」

「ありがとう!!!!!」

私が大きな声で叫ぶようにお礼を言うと猿比古は珍しく足を止めて、横目で振り返った。


猿「俺は俺の仕事をしただけだ」

そういって普段と変わらない態度で返してくれる。

「うん……でも猿比古が言い返してくれたから、すっきりした!だからありがとう」

満面の笑みで笑う私を見て、猿比古はまた前を向いて黙って歩き出した。

その立ち去る背中を見て、心がきゅっと閉まるような感覚がした。

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雪音(プロフ) - 19話が公開されてません (2018年11月10日 20時) (レス) id: 979dd6f378 (このIDを非表示/違反報告)
にお。(プロフ) - 雪音さん» ありがとうございますm(_ _"m)pPASS:sarumi1107になります! (2018年11月5日 20時) (レス) id: 511a31e803 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - うさぎさんの贈り物に不器用な甘いお返しを のパスワードを教えてください! (2018年11月5日 19時) (レス) id: 979dd6f378 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にお。 | 作成日時:2018年11月4日 22時

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