紅一点は事務所1の騎士様！？(3) (ページ7)

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-R.side- ページ7

最近、Aの様子がおかしい。
特にここ数日はライブ以外の時間はずっと心非ずの状態で、1人でスマホを睨んでいたり、かと思えば天を仰いでいたり。

『ゆきちゃん最近元気ないなあ』
「...うん、」

疲れてる、というよりは何か考え事があるような顔で。
あのときの交わした一方的な約束は守ってもらえてるのかな、と不安がよぎっていた。

［お、みんな揃ってた？］

突然現れた滝沢くんに全員で挨拶をすればAが呼ばれてそのまま楽屋からいなくなった。
呼ばれた本人は何か思い当たる節があるのか、バッグから何かを取り出したかと思うとそのまま滝沢くんのあとを追いかけていった。

『ごめん、ちょっといい？』

Aがいなくなり少しだけ重くなった空気を変えたのは舘さんだった。
どうしたんだろう。と思いながらみんなで舘さんの顔をみればAには止められてるんだけど、と口を開いた。

『...A、いまストーカーにあってる』
「ストーカー、？」

はぁ！？と立ち上がった佐久間に一回舘さんの話を聞こうと止めるふっか。
不安そうな顔をする康二の背中を叩いていれば再び舘さんが話し始めた。

『1週間ぐらい前に、Aの家のポストに写真と手紙が送られてきてたんだ。
手紙の内容はこれ、写真は...ちょっと俺からは見せられない』

スマホに表示された文章に目を通せばラウールが泣きそうな声でAの名前を呟いていた。

『...Aには、みんなには言わないようにって。
でも何かあってからじゃ遅いと思うんだ』
『俺らは、知ってることをAに知られないようにすればいいんだよな』
『できるだけ一緒にいればいいってことだよね？』
『よっしゃまかせろ！』

よかった、独りで抱えてた訳じゃないんだ。
そう思っただけで胸の中の何かがすとん、と落ちた気がして。

『あの...あくまで、Aには知ってるって悟られないようにね？』

呆れながら一言添える舘さんに勢いよく頷いた面々に、少し...いやだいぶ不安に思ったのは俺だけではないようで。返事を聞いた舘さんのため息が少しだけ、漏れていた気がした。