紅一点は事務所1の騎士様！？(3) (ページ29)

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-S.side- ページ29

「飲みもん買ってくるから待ってろ」

絶対動くなよ、そう言い残して自販機に飲み物を買いにいけば、明らかに落ち込んでる目黒が歩いてくる。

『...翔太くん、』
「ごめん、俺Aのところ行ってくる」
『...ごめんって、伝えといてほしい』

2人とも落ち込む原因はお互いにあるなんて、そんなの予想の範疇だけど。

「ちゃんと連れてくから、自分で謝れ」

それだけ言い残して、俺はAの待つ会議室へ向かった。

「...落ち着いたか？」
『ごめんなさい、』

泣かないように我慢してるせいで目を真っ赤にするAに空いてないペットボトルを渡せばそのまま当てて冷やし始める。
さっき目黒に会ったけど、と言っただけで肩が跳ねるほど驚くAに相当溜まってることが伝わってきて思わずため息が出そうになる。でも、目黒のせいである前に

「...俺が前に言ったこと、気にしてる？」

その言葉にまた肩が跳ねて、無言で肯定された気がした。

「あの時は、言い過ぎた。
Aの気が緩んでるなんて、思ってない」
『いいよ、私が油断してたのは事実だし』
「それと怪我するのは話が違うだろ」
『私が1人で出歩いてなければふっかにあんな顔させることもなかった！
...めぐに、あんな顔させることもなかった、』
「A、」
『私が、Snow Manに入らなかったら、みんなに余計な心配かけることもなかったんだよ、』

そうでしょ？そう言って笑みすら浮かべるAは、もう限界だったんだろう。

『...まだ、間に合うかな、？』
「A、何考えてんだよ」
『...私、もう限界なのかも』

ごめんね、こんなメンバーで。そう言い残して会議室を出たAの横顔はまるで知らない人のようだった。