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「 え、飲み? 」
「 そう、ナナ先輩に誘われてさ 」
「 ナナ先輩って、同じコースの? 」
「 うん 」
同じ学部、同じコースの
そんな音ちゃんは、二つ上の先輩から飲みのお誘いが来たらしい。
「 友達呼んでいいよー、って言われたから暇だったらAに着いてきてほしい 」
「 でも音ちゃん、私達まだ一応未成年 」
「 そうなんだけど、なんか断りにくくて……あと既に飲んでる子多いしまぁ良いかなって 」
飲み会という名の女子会みたいなもんだって言ってたから、大丈夫じゃない?って、…ほんと楽観的。まぁ女子だけなら、音ちゃんが心配だし着いて行こうかな。
そう、思ったのが間違いだったかもしれない。
「 あ!音にAちゃんじゃん!来るの遅いぞ〜 」
「 … 」
「 ……音ちゃん、これ、 」
途中から参加したんだけど、お店に居たのは女子だけ、なんかじゃなくて。
「 あの、ナナ先輩… 」
「 好きなとこ座りな〜! 」
音ちゃんの酷く困惑した表情を見て、本当に女子だけって言われてたんだろうな、と思った。先輩はもう完璧に出来上がっちゃってて話にならない。
仕方ないか、と小さく溜息を吐いた私の視界の端で揺れる、金色。
まさかとは思った。でも、いくら久しぶりだからって、見間違える筈が無い。
「 ……っ、 」
「 … 」
……ねぇ、大我くん。なにも、こんな所で会わなくてもいいのにね。
ジョッキを握ったまま、視線が交わって一瞬目を見開いた彼は、一秒と経たずに外方を向く。金色になってもサラサラの髪は変わりないんだな、なんて、絶対今思うべきじゃない感想が思い浮んだ。
「 A、 」
音ちゃんに名前を呼ばれてハッと意識が戻ってくる。彼女は不安そうな顔で、私の腕をぎゅ、と掴んだ。
「 、行こう 」
意を決して座敷に上がると、音ちゃんを引っ張って奥の方に行って、失礼します、と腰を下ろした。
……視界に入るのは仕方ないけど。出来れば大我くんから、なるべく遠くが良い。
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鳰(プロフ) - akikumaさん» 嬉しいコメント、有難うございます。大好きだなんて、恐縮です……。不器用な恋模様をダラダラと書いてしまっていますが、もう少しだけ引っ張ります。どうか最後まで楽しんで頂けますように😌 (4月25日 16時) (レス) id: 1722422845 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - 大好きな作品です!読んでてとても切なくなります🥺続き楽しみにしています! (4月23日 1時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
鳰(プロフ) - ごましおさん» 暖かいコメント、有難うございます。前にも読んで下さっていたんですね、また出会えて凄く嬉しいです。自分なりのペースにはなりますが、今回は最後まで書き切るつもりですので、お付き合い頂けましたら幸いです。 (1月30日 0時) (レス) id: 348ed03cac (このIDを非表示/違反報告)
ごましお(プロフ) - 前回書かれてたときからこの話が大好きだったので再掲してくださって本当に嬉しいです(T-T)これからも楽しみにしてます…! (1月24日 10時) (レス) @page22 id: 4d6203abd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳰 | 作成日時:2023年12月17日 15時