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「 彼奴のとこ、行けば 」
色んな言葉が、一度に胸の中を駆け巡る。喉が詰まるような感覚がして、息が上手く出来ない。
「 Aが望むなら…全然、別れるし 」
何で、そんな事言うの。言えるの。そんな言い方なの？全ては私の気持ち次第で、大我くんの気持ちが、全然見えない。
「 俺の事は別に、気にする必要ないから 」
……見えない、のかな。
( やっぱり…そうなんだ。そうだったんだ )
「 だから、 」
「 大我くん 」
「 何 」
目の前が真っ暗になる。
……見えないんじゃなくて。ずっと、無かったんだ。
「 大我くん……初めから、私の事、好きじゃなかったもんね 」
「 ……は、 」
私の言葉に、大きく目を見開いた彼の表情すら、好きで仕方ないと思ってしまう馬鹿な私が何処かに居て。
…嫌だな。本当は、離したくないよ。
けど、もう苦しいのは嫌なの。日に日に大きくなり続ける不安と寂しさを、一人で抱えてなんて、居られない。今日じゃなくても、きっと何時か、潰れてしまう日が来るから。
「 別れよっか 」
だからもう、終わりにするね。
大我くんから言ってくれないのなら、私から。
「 ごめんね。ずっと付き合わせちゃって、ごめん、ね 」
彼の、私との最後の思い出に、泣いてる場面なんて残したくは無かったけど、言葉尻が震えたと思ったら、どうにもならずに勝手に視界が滲んで行く。
大我くんの顔、見えないな。でも、別に良いか。もうこうやって近付く事なんて無くなるのだから、鮮明な終わりより、曖昧な記憶の方が、思い出した時の辛さが軽減されそう。
「 ……俺、は 」
「 大我くん 」
「 … 」
「 じゃあ、ね。今まで、有難う 」
彼の返事を待つ事無く踵を返して、来た道を戻る。
どうやって帰ったら良いんだっけ、あ、自転車無いんだ。大学までバスかな、じゃあ取り敢えず駅まで戻れば良いのか。違うな、近くのバス停。
ぐしゃぐしゃになった視界と、頭の中と。……ちょっと、無理だ、一旦立ち止まろう。
そう思った私の腕を掴む、誰か。
「 A 」
「 ……ほくと、くん？ 」
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鳰(プロフ) - akikumaさん» 嬉しいコメント、有難うございます。大好きだなんて、恐縮です……。不器用な恋模様をダラダラと書いてしまっていますが、もう少しだけ引っ張ります。どうか最後まで楽しんで頂けますように😌 (4月25日 16時) (
レス) id: 1722422845 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - 大好きな作品です！読んでてとても切なくなります🥺続き楽しみにしています！ (4月23日 1時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
鳰(プロフ) - ごましおさん» 暖かいコメント、有難うございます。前にも読んで下さっていたんですね、また出会えて凄く嬉しいです。自分なりのペースにはなりますが、今回は最後まで書き切るつもりですので、お付き合い頂けましたら幸いです。 (1月30日 0時) (レス) id: 348ed03cac (このIDを非表示/違反報告)
ごましお(プロフ) - 前回書かれてたときからこの話が大好きだったので再掲してくださって本当に嬉しいです(T-T)これからも楽しみにしてます…！ (1月24日 10時) (レス) @page22 id: 4d6203abd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳰 | 作成日時：2023年12月17日 15時
