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「 私が頼んだの何円だっけ? 」
「 あ、此処は俺に出させてよ! 」
「 え、申し訳ないよ 」
「 いやいや、誘ったの俺だから! 」
「 慎太郎ゴチになりまぁす 」
「 なりまぁす 」
「 ふは、松村くんこういうの乗るタイプなんだ 」
「 陰キャっぽい癖にって? 」
「 いや最高って言いたかっただけなんだけど! 」






食べ終わった後の緩〜い会話で慎太郎くんの奢りが決まって、一度は断ったけど、有難く甘えさせてもらう事に。






「 慎太郎くん、今度何か奢らせてね 」






それでも申し訳なさは拭えなくて、席を立った後にこそりとそう告げれば、Aちゃん良い子過ぎ、って優しく笑った。


会計に向かって、店員を呼ぶベルを鳴らすと、奥から大我くんが出て来たのが分かって、心臓が嫌に音を鳴らす。

顔を合わせられなくてまた俯くと、そのタイミングで慎太郎くんが「 三人とも先に出てて良いよ〜 」って声を掛けてくれたから、またそれに甘える事にして。






「 俺ちょっとトイレ行ってくる 」
「 じゃあ私とAは先に出とくね〜 」
「 はーい! 」






音ちゃんの背中を追ってガラス張りのドアから外に出ると、急にスっと力が抜けて、それから、酷く後悔した。


結局、私、何がしたかったんだっけ。


わざわざ大我くんのバイト先まで押し掛けて来たのに、噂の通りに女の子と仲良いんだって知って、余計に傷付いただけで。






「 お待たせ!あ、北斗待ちか 」
「 そうそう 」
「 レジ来てくれたのきょもだった 」
「 京本くんね。慎太郎このカフェに友達多すぎでしょ笑 」
「 それな!てかさぁ、会計中のきょもがめちゃくちゃ負のオーラ放ってたんだけど 」






何で??って音ちゃんに、分かんないけど!怖かったんだよね、って慎太郎くんが苦笑いして、其処に北斗くんが戻って来た。






「 ごめん、待たせて。帰ろう 」
「 全然!ねぇ北斗、きょも見た? 」
「 …見てないけど。京本が何? 」
「 いやなんかすっげぇ怖い顔してたんだよね 」






喋りながら動き出す三人と、立ち竦んで、中々その場から動けない私。

それでもなんとか重たい足を引き摺って、必死に皆の後を追う。






「 A?……、あ 」






そんな私に気付いた北斗くんが此方を振り向いたのと、駆け寄ってくる足音が聞こえたのは、ほぼ同じタイミングだった。






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設定タグ:京本大我 , 松村北斗 , SixTONES   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - akikumaさん» 嬉しいコメント、有難うございます。大好きだなんて、恐縮です……。不器用な恋模様をダラダラと書いてしまっていますが、もう少しだけ引っ張ります。どうか最後まで楽しんで頂けますように😌 (4月25日 16時) (レス) id: 1722422845 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - 大好きな作品です!読んでてとても切なくなります🥺続き楽しみにしています! (4月23日 1時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ごましおさん» 暖かいコメント、有難うございます。前にも読んで下さっていたんですね、また出会えて凄く嬉しいです。自分なりのペースにはなりますが、今回は最後まで書き切るつもりですので、お付き合い頂けましたら幸いです。 (1月30日 0時) (レス) id: 348ed03cac (このIDを非表示/違反報告)
ごましお(プロフ) - 前回書かれてたときからこの話が大好きだったので再掲してくださって本当に嬉しいです(T-T)これからも楽しみにしてます…! (1月24日 10時) (レス) @page22 id: 4d6203abd5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年12月17日 15時

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