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「 え!すっげぇおしゃれ! 」
「 こんなとこにカフェなんかあったんだ、 」
電車で最寄り駅まで戻ってきて、歩く事五分くらい。目的地が見えてきて、音ちゃんと慎太郎くんがおぉ〜と声を上げた。
建物全体としては四角い箱の様な形で、外壁は白と黒のツートンカラー、入り口辺りは木目調。パッと見ただけで目を引くお洒落なカフェ。
大きめの窓があったり、ドアがガラス張りになっていたりと、外から中の様子が伺えるのも良いなと思う。
「 なんか、松村くんがこういう所知ってるの意外かも 」
「 …インドア派の癖に、って? 」
「 いやいや!単純に、こういうのって男子より女子の方が好きそうだから 」
「 北斗はこういう穴場見つけるの得意だよね〜 」
「 …まぁ 」
目が合って苦笑いした北斗くんは多分、俺が見つけたんじゃないけどね、って思ってるんだろうな。
ごめんねって意味を込めて顔の前にすっと手を持って行くと、彼は首を横に振った。
「 よし、入ろー! 」って先陣切ってドアを開けた慎太郎くんに続いて、中へ。流石に入って早々に出会う事は無いよね、と思いつつも、緊張が走る。
「 いらっしゃいませ、四名様ですか? 」
聞こえて来たのは女の子の声で、安心するよりも、ぶわり、嫌な感情が沸いて来た。
あぁ、この子だ。
あの時、電話越し、大我くんと話してた。
声を聞いたのはほんの少しだったのに、こうも覚えているものだろうか。
「 ご案内します 」
通された四人掛けのテーブル。
慎太郎くんが座って次にその向かい側に北斗くんが座ったから、その意図に気づいて北斗くんの隣に腰を下ろす。
……危なかった、今私、自分の事で精一杯になってた。
「 御注文がお決まりになりましたら、お声掛け下さい 」
透明の可愛らしいコップに入った水を運んで来て、軽い会釈をひとつ、テーブルから離れて行く彼女。
指通りの良さそうな艶々した黒髪は後ろの低い位置で一つに括られていて、長い前髪は分けられて、其処から広いおでこが覗いている。
大人っぽくて、綺麗な子。……大我くんと並んだら、凄くお似合いだろうなって、思っちゃうぐらい。
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鳰(プロフ) - akikumaさん» 嬉しいコメント、有難うございます。大好きだなんて、恐縮です……。不器用な恋模様をダラダラと書いてしまっていますが、もう少しだけ引っ張ります。どうか最後まで楽しんで頂けますように😌 (4月25日 16時) (レス) id: 1722422845 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - 大好きな作品です!読んでてとても切なくなります🥺続き楽しみにしています! (4月23日 1時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
鳰(プロフ) - ごましおさん» 暖かいコメント、有難うございます。前にも読んで下さっていたんですね、また出会えて凄く嬉しいです。自分なりのペースにはなりますが、今回は最後まで書き切るつもりですので、お付き合い頂けましたら幸いです。 (1月30日 0時) (レス) id: 348ed03cac (このIDを非表示/違反報告)
ごましお(プロフ) - 前回書かれてたときからこの話が大好きだったので再掲してくださって本当に嬉しいです(T-T)これからも楽しみにしてます…! (1月24日 10時) (レス) @page22 id: 4d6203abd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳰 | 作成日時:2023年12月17日 15時