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『 慎太郎が好きなんだって、高原さんの事 』
『 えっ、!!そうなの? 』
『 うん。で、デートとかしたいけど急に二人は断られるかもって相談されたから、じゃあ他に誰か共通の知り合い誘ったら?って提案したんだけど 』
『 うん 』
『 誘えそうな共通の友人が居ないらしく 』
『 …まさかの? 』
『 そのまさかだね 』
突然与えられた、森本くんの音ちゃんへの片想いに協力するっていうミッション。
特に断る理由も無いし、実際、前の飲み会の時の二人、傍から見ててお似合いだなぁとは思ってたし。二つ返事でOKして、それから三日、予定はトントン拍子で決まった。
「 Aおはよ〜 」
「 おはよ、音ちゃん 」
大学近くの最寄り駅から電車で少し街中に出て、ボーリングにカラオケ、インラインスケート等のスポーツ系まで出来る、定番の施設に行く事に。
とりあえず、確実に盛り上がれる場所じゃない?っていう森本くんの案。何方かというとインドア派だって言ってた北斗くんは少しだけ渋ってたけど、笑
「 それにしてもさ、Aから男子も含めた遊びに誘われるとは思ってなかったよ 」
「 あー、まぁそうだね笑 」
「 いつの間に慎太郎と仲良くなってたの?あと、松村くん 」
「 北斗くんは飲み会の時向かい側に座ってたし、森本くんは…ほら、デロデロに酔った音ちゃんを送り届けてくれたから 」
「 うわぁその話か… 」
ちゃんと森本くんにお礼言ったのか聞くと、どうやら家まで送り届けてもらうのは高校の時からあった事で、決して初めてじゃないらしい。
ほんと慎太郎って優しいよね〜、って恐らく何も気付いていない顔で笑う音ちゃんに、あぁ森本くん…不憫だな…と少し同情した。
( 今日で、少しは良い方向に持って行けるといいなぁ )
最寄り駅に着いて中に入ると、既に北斗くんと森本くんが壁に寄りかかって待っていた、のだけど。
「 …ねぇ、A 」
「 …うん 」
「 オーラやばくない? 」
「 やばい 」
北斗くんは白のTシャツに白いズボン、茶色のベルト。森本くんは黒のTシャツに短パン、胸元に光る金色のネックレス。
二人とも至ってシンプルな服装なのに、やけに目立ってる。通り過ぎる女の子達が皆、彼らにチラチラ視線を送って行く。
絵になるなぁなんて思いながら、音ちゃんと二人で遠目にボーッと眺めていると、パッと顔を上げた森本くんが此方に気付いた。
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鳰(プロフ) - akikumaさん» 嬉しいコメント、有難うございます。大好きだなんて、恐縮です……。不器用な恋模様をダラダラと書いてしまっていますが、もう少しだけ引っ張ります。どうか最後まで楽しんで頂けますように😌 (4月25日 16時) (レス) id: 1722422845 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - 大好きな作品です!読んでてとても切なくなります🥺続き楽しみにしています! (4月23日 1時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
鳰(プロフ) - ごましおさん» 暖かいコメント、有難うございます。前にも読んで下さっていたんですね、また出会えて凄く嬉しいです。自分なりのペースにはなりますが、今回は最後まで書き切るつもりですので、お付き合い頂けましたら幸いです。 (1月30日 0時) (レス) id: 348ed03cac (このIDを非表示/違反報告)
ごましお(プロフ) - 前回書かれてたときからこの話が大好きだったので再掲してくださって本当に嬉しいです(T-T)これからも楽しみにしてます…! (1月24日 10時) (レス) @page22 id: 4d6203abd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳰 | 作成日時:2023年12月17日 15時