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小さな呟きを落とした瞬間、部屋に着信音が鳴り響いた。
慌てて確認してしまう画面に並ぶ文字は"大我"じゃなくて。それぐらいの事で肩を落としてしまう私は、潮時なんてそんなのきっと、受け入れられないだろうな。
暫く待っても着信は切れそうになくて、どうやら掛け間違いではないらしい。それを確認した所で、応答の緑のマークに触れた。
「 …もしもし 」
『 あ。もしもし、A？ 』
私に掛けているんだから私以外の人が出ることは無いだろうに、ちゃんと確認する辺りがなんだか彼らしくて、張り詰めていた感情が少しだけ綻ぶ。
「 どうしたの、北斗くん 」
画面に並んでいたのは、"松村北斗"の文字だった。
北斗くんと話すタイミングはなんだかいつも、こういう、少し気分が沈んでいる時な気がする。
『 急に電話しちゃってごめん。今時間、平気？ 』
「 平気だよ、暇してた所 」
『 なら良かった 』
「 うん。どうしたの？ 」
平常心で、明るさを保った声で答えていたはずなのに、北斗くんはちょっと間を置いた後で、Aこそ、って呟いた。
「 ん？ 」
『 また何かあったでしょ 』
「 え。何も無いよ、？笑 」
『 嘘、元気無いじゃない 』
「 …そう、かな笑 」
『 なんとなくだけど。声が 』
そして、必ずこうやって見抜かれてしまうのは、何故なんだろう。
私の演技が下手過ぎるのかな。嘘をつくのとか、ポーカーフェイスとか、そこまで苦手じゃないと自分では思っていたのに。
いや、それとも、北斗くんが鋭すぎるのか。……きっと後者だろう、だって。
『 ねぇ、大丈夫？ 』
「 え？ 」
『 なんか、前よりしんどそう 』
最早笑うしかない程、私の気持ちを当ててくるから。多分だけど、北斗くんには隠し事が一切出来ないだろうなと思う。
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鳰(プロフ) - akikumaさん» 嬉しいコメント、有難うございます。大好きだなんて、恐縮です……。不器用な恋模様をダラダラと書いてしまっていますが、もう少しだけ引っ張ります。どうか最後まで楽しんで頂けますように😌 (4月25日 16時) (
レス) id: 1722422845 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - 大好きな作品です！読んでてとても切なくなります🥺続き楽しみにしています！ (4月23日 1時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
鳰(プロフ) - ごましおさん» 暖かいコメント、有難うございます。前にも読んで下さっていたんですね、また出会えて凄く嬉しいです。自分なりのペースにはなりますが、今回は最後まで書き切るつもりですので、お付き合い頂けましたら幸いです。 (1月30日 0時) (レス) id: 348ed03cac (このIDを非表示/違反報告)
ごましお(プロフ) - 前回書かれてたときからこの話が大好きだったので再掲してくださって本当に嬉しいです(T-T)これからも楽しみにしてます…！ (1月24日 10時) (レス) @page22 id: 4d6203abd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳰 | 作成日時：2023年12月17日 15時
