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「 むしろ、当日祝えなくて申し訳ないな 」
「 知らなかったんだから当然でしょ 」
「 まぁ、そうなんだけど 」
何か欲しい物ある？そう聞くと、少し困った様な顔で首を振る。
「 本当に、そんなつもりで話した訳じゃないのよ 」
「 私がしたくてする事だから。ほら、こうやって話聞いてくれてるお礼もしたいし 」
「 別に何もしてないし…あんまり割に合わないと思うけど 」
「 うーん。じゃあ、これから先の相談料も兼ねてって事で、どうですか？ 」
なんだかこれは譲れなくて食い下がってみたら、驚いたのか、松村くんはパチパチと何度か瞬きをした後で、フッと笑って。「 そこまで言うなら、考えとく 」と優しい表情で返してくれた。
「 うん、決まったら教えて欲しいな 」
「 ……俺、貴女の連絡先、知らないけど 」
「 え、あ。そうだったね 」
何でだろう、もう交換した様な気で居たな。そう思いながら、携帯を開いて、QRコード画面を映して差し出す。
「 いいの？ 」って何故か少し不安そうに尋ねる松村くんに頷いてみせると、彼は躊躇いがちにそれを携帯で読み取った。
それから、ぽん、と送られてくるメッセージ。
松村です
私が知ってるよ、って笑ったら、知ってたか、って松村くんも笑って呉れた。
「 待って、今更だけど時間大丈夫？ 」
「 午後は授業入ってないから、大丈夫。相田さんは？ 」
「 私も入ってないよ 」
「 良かった 」
食べ終わったしそろそろ出よっか、そう声を掛けて立ち上がる。
食器を返却して外に出た所で、今日も聞いて呉れて有難うって伝えると、目が合ってふっと視線を落とした彼が「 あのさ 」って呟いた。
「 うん？ 」
「 ……いや、正直どっちでも良いんだけど 」
「 なに？ 」
「 松村くんって呼び方、ちょっと、距離あるなって 」
相田さんとは結構、仲良くなれたんじゃないかと思って、なんて小さな声で恥ずかしそうに言う彼が、なんだか可愛く見えて、少し笑ってしまう。
「 …何で笑ってんのよ 」
「 ごめんごめん、なんて呼んだらいい？ 」
「 名前、とか 」
「 じゃあ、北斗くん？ 」
「 ……ん。それで 」
俺はAって呼ぶね。そう言って笑った北斗くんは、やけに嬉しそうに見えた。
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鳰(プロフ) - akikumaさん» 嬉しいコメント、有難うございます。大好きだなんて、恐縮です……。不器用な恋模様をダラダラと書いてしまっていますが、もう少しだけ引っ張ります。どうか最後まで楽しんで頂けますように😌 (4月25日 16時) (
レス) id: 1722422845 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - 大好きな作品です！読んでてとても切なくなります🥺続き楽しみにしています！ (4月23日 1時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
鳰(プロフ) - ごましおさん» 暖かいコメント、有難うございます。前にも読んで下さっていたんですね、また出会えて凄く嬉しいです。自分なりのペースにはなりますが、今回は最後まで書き切るつもりですので、お付き合い頂けましたら幸いです。 (1月30日 0時) (レス) id: 348ed03cac (このIDを非表示/違反報告)
ごましお(プロフ) - 前回書かれてたときからこの話が大好きだったので再掲してくださって本当に嬉しいです(T-T)これからも楽しみにしてます…！ (1月24日 10時) (レス) @page22 id: 4d6203abd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳰 | 作成日時：2023年12月17日 15時
