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「 ……卒なく、何でもこなすイメージだったんだけど 」
「 ん？ 」
「 京本の話。何考えてるか読めないから、余計にそう見えるじゃない 」
「 あぁ、そうだね 」
「 でも、俺が思ってるよりずっと不器用なのかもなって、最近思い始めたんだよね 」
「 ……大我くんが？ 」
大我くんには器用なイメージしか無い。運動が苦手である事を除いて、なんだかんだ淡々とこなしてしまう、そんなイメージ。
正直分かんないな、っていうのが私の顔に出てたのか、いつの間にかうどんを食べ終えていた松村くんが「 あのね 」って口を開いた。
「 若干察してるかもだけど。俺と京本、ちょっと気まずい感じなのね 」
「 あ、うん。そうかなって思ってた 」
「 ですよね。まぁ別に仲悪いとかじゃなくて、なんか…ちゃんと打ち解けられてないというか 」
言葉じゃ説明しにくいんだけど、そんな感じなのよ。少し眉を下げて笑う松村くんの表情は困っているみたいだけど、優しい。そんな様子に、心底ホッとした。
「 昨日京本が、樹に誕生日プレゼント渡してたんだよね。樹、三日前が誕生日で、当日会えなかったからって 」
「 うん、 」
「 その後、彼もう一個プレゼント出してきてさ。樹に向かって『 これ北斗にあげて。あとおめでとうって言って 』って言ったの。俺、そのやり取り目の前で聞いてるのに 」
大我くんのぶっきらぼうな話し方で、松村くんの言葉が再生されて、思わず笑みが溢れた。
いつの間にか言葉の向こう側の優しさに目を向ける癖が付いていたから、考えたことがなかったけれど。
確かに、彼の優しさは一見分かりにくくて。それはつまり、不器用だって言えるのかもしれない。
そこまで思考が回った所で、ふと、松村くんの言葉に引っ掛かった。
「 ……ちょっと待って。もしかしなくても昨日、誕生日…？ 」
「 あ、うん 」
「 え、！おめでとう…！ 」
慌ててお祝いの言葉を口にする私に、「 あーごめん、なんか言わせたみたいになった 」と気まずそうな顔をする松村くん。
余りにもサラリと言うから、聞き流してしまう所だった。そんなめでたい日、もっとアピールして呉れて良いのに。
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鳰(プロフ) - akikumaさん» 嬉しいコメント、有難うございます。大好きだなんて、恐縮です……。不器用な恋模様をダラダラと書いてしまっていますが、もう少しだけ引っ張ります。どうか最後まで楽しんで頂けますように😌 (4月25日 16時) (
レス) id: 1722422845 (このIDを非表示/違反報告)
akikuma(プロフ) - 大好きな作品です！読んでてとても切なくなります🥺続き楽しみにしています！ (4月23日 1時) (レス) @page50 id: 5677edd0e4 (このIDを非表示/違反報告)
鳰(プロフ) - ごましおさん» 暖かいコメント、有難うございます。前にも読んで下さっていたんですね、また出会えて凄く嬉しいです。自分なりのペースにはなりますが、今回は最後まで書き切るつもりですので、お付き合い頂けましたら幸いです。 (1月30日 0時) (レス) id: 348ed03cac (このIDを非表示/違反報告)
ごましお(プロフ) - 前回書かれてたときからこの話が大好きだったので再掲してくださって本当に嬉しいです(T-T)これからも楽しみにしてます…！ (1月24日 10時) (レス) @page22 id: 4d6203abd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳰 | 作成日時：2023年12月17日 15時
