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幼い頃から通っている駄菓子屋の、外に位置する木製のベンチに腰掛ける。どんな天気の日にも外に居て雨にも風にも曝されて来たからか、すっかり傷んでしまっている。昔から変わらず横に有る赤い自販機も、所々塗装が剥げていて、時の流れを感じさせた。
中から聞こえて来る慎太郎と樹とおばちゃんの元気な笑い声。少ししてガラガラとスライド式のドアが開いて、出て来た慎太郎の手には二人分のアイス。
「 ねぇA聞いてよ！慎太郎結局俺の分は買ってくんないの、酷くね？ 」
「 俺が甘いのはAにだけなんで〜 」
「 それ自覚あったんだ、笑 」
ブーブーと文句を垂れながら私の右隣に座る樹。それを見て意地悪そうに笑ってる慎太郎は、左隣に座る。樹、私、慎太郎。いつの間にか出来ていた三人の定位置。
慎太郎から、はい、いつもの、と手渡されたソーダ味のアイス。有難う、と受け取ってパッケージを破る。齧り付いてシャリシャリと溶かしたら、口の中に甘さが広がる。
「 は〜〜〜沁みるわ、 」
「 やっぱ夏はアイスに限る！ 」
「 かき氷も良いけど 」
「 うーわ、それな。食べてぇ 」
「 おばちゃん今年いつからかき氷してくれっかな〜 」
この話、多分、毎年している。其処らの小学生と何ら変わらない幼稚な会話。特に中身もオチもない、くだらない話。それで笑ってられるぐらい、三人で居る時の空気は緩くて楽だ。
アイスの甘さも、二人と話す楽しさも、その何方も身体に沁みて、今日はやけに疲労が溜まっているんだなと自覚した。その主な原因となる人物が思い浮かんだ所で樹が、てかさ、と呟いた。
「 転校生来たんだろ？Aのクラス 」
「 あー、うん 」
「 それ聞こうと思ってた！どんな人？？ 」
「 ……どんな人 」
難しい質問だと思った。決して、答えが何も思い付かない訳じゃない。一日の中のほんの数時間関わっただけだが、彼に対しての知識は零から一にはなったと思う。それにこの質問は内面に拘らずとも容姿を答えたって構わなくて、例えば綺麗な人とか背が高いとか、それでも良い訳で。
なのに、私は答えに渋った。松村北斗の事を、簡単な言葉で形容したくないと思ってしまった。そんな自分に気付いて、心底驚いた。
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鳰(プロフ) - 紺さん» 紺さん、コメント有難うございます。お二人の優しさに甘えて、戻って来てしまいました。そんな風に言って頂けて本当に嬉しい限りです……これからもどうぞよろしくお願いします！ (2023年2月6日 22時) (
レス) id: 1fdd7a0117 (このIDを非表示/違反報告)
鳰(プロフ) - 朔さん» 朔さん、お久しぶりです。こんなに早く気付いて頂けるとは思っていませんでした……凄く嬉しいです、有難うございます！私なりにまた少しずつ書いて行けたらなと思いますので、よろしくお願いします。 (2023年2月6日 22時) (レス) id: 1fdd7a0117 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - 鳰さんだ、、、また読めて嬉しいです🥲🥲🥲 (2023年2月6日 18時) (レス) id: 3f4dbcf23f (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 最高です、おかえりなさい🕊 (2023年2月6日 18時) (レス) id: 566406f9cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳰 | 作成日時：2023年2月5日 16時
