久々知くん、大好きです (ページ2)

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１話ページ2

忍たまの中で１人だけ女子の私。

友達もいないし話し相手もいない。ましてや、好きな人に嫌われる始末。

理由は分からないが、まぁ、私の中の何かが気にくわないのだろう。

それでも、私は彼が好きなのだ。

朝。いつも通り１人で教室に向かう。

ガラッ

まだ誰もいないのが日常。ま、一番乗りだ。

授業まで座って外を眺めていると、１匹の蝶が鼻に止まった。

綺麗なアゲハチョウだ。

『はっくちゅん！』

澱粉が鼻に入ってしまいくしゃみをしてしまう。

『…今日も、なにもなければ良いけど…』

無事授業は終わったけど、私の隣の久々知くんは相変わらずブスッとしてた。

まぁ、仕方ないか。

終わりの鐘とともに席を立つと、委員会に向かった。私の委員会は火薬委員会。

少しでも久々知くんと仲良くなりたいと思って入ったけど、嫌われていたみたいだから、意味なかっ

た。でも少しでも、役に立てるように。そう思いながら日々頑張っている。

『今日の当番は…私…か』

火薬倉庫の点検を始めると、不意に誰かの足音が聞こえた。

キィ…

『？、あ』

開いた窓の方を見ると、そこには久々知くんが立っていた。私を見つけた顔は冷たい。

久々知「……チッ」

久々知くんはちょっと強めに窓を閉めると、行ってしまった。

『…相変らず嫌われてんなー、私』

苦笑いして自分を慰めると、再び点検に取り組んだ。

ーーー点検終了後ーーー

部屋に帰る途中、久々知くん達の部屋から話し声が聞こえた。

尾浜「兵助、お前川田さんの事苦手なのか？」

久々知「なんだい勘右衛門」

尾浜くんの言葉を聞いた途端、突然冷や汗が流れた。心臓がうるさい。

久々知「…苦手っていうか…嫌いなんだよ…笑顔が胡散臭くて…なんていうか…裏がありそう」

尾浜「なんだよそれー…」

久々知「とにかく、どこかの城のスパイかもしれない…あの笑顔が物語ってる」

そうか。久々知くんは、私のことを「敵視」しているんだ。

涙が溢れそうになって、私は走って部屋に戻った。

部屋の扉を閉めると、朝まで泣いた。