【忍たま】ひとえに縁となる (ページ9)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:10,399 hit

七頁ページ9

？｢沖合Aと言ったな！人の気配が分かるのか。｣

『…なんとなく。』

片やもう1人は楽しそうだ
この笑顔を見たことがある
良くいえば、新しいおもちゃを見つけた時の顔
悪くいえば、獲物を見つけた時の顔

ゾクリと背筋に悪寒が走った

？｢……小平太、怪我人。｣

？｢まったく、大人しく様子を見ていれば…お前たち喧嘩をしているバヤイか。｣

また2人この部屋に降りてきた
7人、随分と人が増えたな
6年の5人が言い合いを始めた

『何これ…。』

隣の不破は｢止めるべきか誰かを呼んでくるべきか｣と迷いだした

その時、スパンッと綺麗な音が鳴って戸が開いた

伊作｢怪我人がいる周りで何騒いでるの！不破以外は外に出なさい！！！｣

留三郎｢す、すまない、伊作…。｣

おお、一喝した
しぶしぶ5人は外に出ていく
小平太と呼ばれていた男が私に｢またな｣と言ったが、是非とも遠慮したい

伊作｢最上級生にもなって…。Aさん、これ返すね。学園長からの言伝で、怪我が治ったら話がしたいから治るまではゆっくりしなさいって。｣

『分かった。学園長にはよろしくお伝えください。』

伊作｢うん、それよりもすみません。同級達が騒いで。｣

『いえ、まあ元気が有り余ってるようで…。』

そこで、くぅと私のお腹が鳴った
私ここに来てまだ何も口にしてない

伊作｢5日何も口にしてないから当然。一緒にご飯も持ってきて正解だったみたいだね。｣

『ありがとう。5日も眠ってたんだ。』

雷蔵｢十分、早いよ。酷い怪我だったから目覚めない可能性もあった。｣

『トラックにはねられたのに骨折してなかっただけでも十分ましだよ。』

ご飯を受け取って｢いただきます｣と手を合わせた

『…おいしい。』

伊作｢良かった。食堂のおばちゃんの料理だからね。｣

『食堂もあるんだ。』

白飯、味噌汁、サバの味噌煮、冷奴、ほうれん草のおひたし
こんなちゃんとした食事が食べられるのか
現代の給食と変わらない

食べ終わった所で女性が入ってきた

？｢初めまして、山本シナと言います。包帯を取り替えに来たの。｣

『あ、なるほど。ありがとうございます。』

運ばれた際にも服を脱がせて対処してくれたらしい
私が女だから配慮してくれたのか
治るまでの間は、お風呂に入れるまで体を拭いたり、包帯を取り替える手伝いをしてくれるそう

伊作｢シナ先生よろしくお願いします。｣

雷蔵｢それでは、失礼します。｣