【忍たま】ひとえに縁となる (ページ11)

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この学園に受け入れてくれた雇用主だ
頭を下げお辞儀をすると、学園長は歓迎の旨を伝えてくれた

…が、今忍術学園って言った？
忍術？

『えっと…忍犬？に、忍術学園なんて、まるで忍者の学校みたいに聞こえるんですが。』

学園長｢合っておる。ここは将来忍者となる者を育成する学園じゃ！行儀習いとして入学しておる者もおるがな。｣

忍者って本当にいたのか
忍者が学園なんて、いや、忍術学園ってどこかで聞いたことがある

伊作｢どうかしたの？｣

『あー、いや、私の時代では忍者は実在したって言われてるけど、実際に学んだことはなかったから驚いてる。』

伊作｢忍者は言葉の通り忍ぶ者だからね。未来でも謎が多いのかも。｣

それだけではないのだが…
なんだ？ここに来てからずっと拭えていないこの違和感は

？｢｢｢失礼します！｣｣｣

元気な声と共に戸が開いた
そこにいたのは井桁模様が入った水色の袴に身を包んだ子ども3人組
知識のない人間にでも分かる、幼い頃絶対に見たことはあるはずの有名な姿がそこにはあった

乱太郎｢あれ、伊作先輩？あ！もしかしてお話中でしたか？！｣

伊作｢大丈夫だよ。たった今終わったところだ。｣

学園長｢おお、乱太郎、きり丸、しんベヱ、帰ったか。おつかいは無事できたかの？｣

しんベヱ｢もちろんです。はい、これ。｣

きり丸｢約束どーり行ってきましたよ！駄賃下さい！｣

目の前で起こる信じられない光景に、違和感の正体が発覚する

乱太郎｢あれ？知らない人がいる。お客さんですか？｣

伊作｢彼女は新しい事務員さんだよ。｣

乱太郎｢そうなんですね！私は一年は組の猪名寺乱太郎と言います！よろしくお願いします！｣

きり丸｢俺はきり丸っす。よろしくお願いします！バイトなら任せて下さいね。｣

しんベヱ｢僕は福富しんべヱです。今度美味しいもの皆で一緒に食べに行きましょうね。｣

『…よろしく。』

学園長には事務の仕事は明日からと言い渡され、乱太郎たちと入れ替わるように庵を後にした
治療を受けていた空き部屋がそのまま私の部屋となった

伊作｢何か困ったことがあったらいつでも頼ってね。｣

戸を閉めて敷かれた布団の上に倒れ込む

改めて自分の身に何が起こったか、本当の意味で悟る
タイムスリップどころじゃない
春音から聞かされた話の中にあったトリップというやつだ
私は、物語の中に迷い込んだのだ

『…現実味のない話しすぎる。』

ため息をついて目を閉じた