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火薬庫に着くと三郎次くんは1人で作業していた
他の子達はまだ来ていないようだ
『三郎次くんお待たせ。他の皆は？』
三郎次｢伊助は補習、3年と1年は先生に呼ばれて遅れてる。｣
『は組は変わらないね。』
三郎次｢4年にもなって…。｣
ため息をつく三郎次くんを見る
皆成長して大人になった
でも本質は変わらないし、関係性も変わっていない
いつまでも、こうやって忍術学園が賑やかであることが何よりも嬉しい
三郎次くんの隣に立って、作業に取り掛かりながら2年前のことを思い出していた
委員長になった久々知くんに頼まれて委員会の手伝いに行ったまでは良かった
しかし私は火薬庫に行くことはできても、入ることができなかったのだ
もう何も怖くないというのに身体は覚えていたことが驚きだった
久々知くんと私は互いに申し訳なさそうにしていた
その時、三郎次くんは私の手を引いた
彼は｢怖いなら手を引いてやる。ここは僕達しかいない。｣と言った
じっとその目を見ていると私は大丈夫だと安心できた
彼のおかげで私は、また変わる事が出来たんだ
三郎次くんの身長が伸びて、見下ろしていた視線は3年も経てば逆転した
5年生らしく大人っぽくなった三郎次くんに見られると何だかむず痒い気持ちになってしまうようになった
でも、隣に彼がいるのはとても落ち着く
『三郎次くん、これってどこの棚？』
三郎次｢それは一番下に置いてくれ。｣
しゃがみこんで壺を置く
垂れた髪を耳にかけた
三郎次｢…くくらないのか？｣
『持ってた髪紐が切れちゃって、まだ買ってないの。』
三郎次｢くくってやるから後ろ向いてろ。｣
三郎次くんが私の後ろに立って髪をすき始めた
横髪を後ろにとる時に三郎次くんの手が私の耳に触れる
なんだか気恥ずかしい
三郎次｢できた。その髪紐はやるから、切らなくて良い。｣
『ありがとう。』
三郎次くんはチラッと私を見て、作業する手を再び動かした
どんな風になってるんだろうと少し気になって、手鏡を取り出す
三郎次｢待て、なんで手鏡持ってんの。｣
『え？タカ丸くんが常に持っておけって。』
三郎次｢………み、見るな。｣
三郎次くんは何故か見るのを制する
逆に気になってしまい、鏡を見ると髪紐の上から綺麗な緑色の飾り紐がくくられていた
『え…これって。』
三郎次くんは顔を片手で押えている
彼は小さな声で呟くように言った
三郎次｢…Aに似合うと思って買っといたんだよ。｣
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澄香 - 完結おめでとうございます！結構前の作品ですが、、、とても素敵な作品でした！ (2月3日 20時) (
レス) @page21 id: 3292c399a2 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - 完結おめです!!!!リーヴル様の他の作品を見てきます(^^ω) (2023年1月24日 18時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
まんじゅうDX - 結構前の作品ですが, 完結おめでとうございます。読んでしまったら読む手が止まらなくなる,そんな心惹かれる素敵な作品でした。キャラ達の夢主への心情の変化や夢主の心の変化が少しづつ変わっていくのがとても面白かったです。本当にありがとうございました！！ (2022年8月11日 0時) (レス) @page21 id: b43443e8a9 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高に面白かったですし、めちゃくちゃ泣きました。本当に素敵な作品でした。完結、寂しいですがこれからも頑張ってください！本当にありがとうございました！ (2022年1月19日 18時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 本当に面白かったです！何で今まで気づかなかったんだろう、と思うくらいの傑作です。オチが多数あったり、作中に伏線を入れていたりと工夫がされていて、読みごたえがありました。最高の作品をありがとうございました！ (2021年12月15日 18時) (レス) @page21 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リーヴル | 作成日時：2021年3月24日 1時
