90.お供します ページ48
平滝夜叉丸side
小平太「今日は走らず、下級生と天女を追うぞ。」
七松先輩はこちらを見ずに言った
小平太「下級生だけと山で一緒にいれば、あの女も尻尾を出すかもしれん。」
滝夜叉丸「何を、言っているんですか。」
小平太「そのままの意味だ。天女の本性を暴く。」
滝夜叉丸「それがどういう意味をなすか分かって言ってるんですか?」
小平太「…ああ。」
この人は下級生を危険な状態に置こうというのだ
滝夜叉丸「…私の目を見て言ってください。」
七松先輩はこちらを見た
顔を辛そうにしかめていた
言いようもない感情なのだろう
らしくない表情だ
滝夜叉丸「…彼女は前の天女とは違うと思いますよ。もうあなたも分かってるんでしょう?」
小平太「それではいかんのだ。この目で確証できるまでは。周りが信用出来ないわけじゃない。だが、ここで見誤ってはいけないんだ。」
固い決意だ
嫌だといえば、ついてこなくていいと言うだろう
しかしそれではいけないのだ
誰かが私が付いていてあげなければいけない
七松先輩を、彼をもう1人にしてはいけない
滝夜叉丸「分かりました。ならば私もお供します。」
…………
………
…
出発前の会話を思い出していた
天女と下級生の後をつける
離れているので何を話しているかは分からないが、和やかに会話をしていた
あの喜八郎が認めたのだ
彼女の行動は全て自分たちのためだと
七松先輩も同室の中在家先輩から話は聞いているのだろうに
私たちはじっと後輩たちの姿を見ていた
そして事は起こった
山賊だ
彼女は下級生を守るようにしている
滝夜叉丸「七松先輩、早く行かなくては。」
小平太「まだだ。」
滝夜叉丸「なぜ…!」
そうこうしているうちに、山賊は下級生に手を出し始める
それを天女が止めた
自分の身を差し出したのだ
普通であれば、絶対にできないことを
彼女は震え怯えていた
それでも下級生を守ろうとしている
会ったばかりの、最初は敵意を向けていた人間をどうして身を犠牲にしてまで
頭が混乱する
彼女は「守るから」と強く言った
ガツンと殴られたような気がした
滝夜叉丸「七松先輩!もう分かったでしょう!もうこんな下らないことをとやかく考える必要はありません!目の前で起こっている行動の全てが事実だ!!!」
七松先輩の胸ぐらを掴むと、目を驚いて見開いた
小平太「…すまなかった。要らぬ考えをしていたのは私の方だったな。行こう。」
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スイちゃんですよ〜☆ - だいすこです!(^^ω) (2023年1月24日 14時) (レス) @page50 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - 冴川冬香さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんで頂けて幸いです。冴川冬香さんのご病気が治るよう頑張って続きを書かせて頂かきますので、よろしくお願いします! (2021年2月24日 20時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
冴川冬香(プロフ) - 面白くて1から一気に読みました。57話見てから現在進行形で泣きじゃくっております……!続きが早く読みたくてたまらない病気にかかってしまったようで……。続き楽しみにしています!頑張ってください!! (2021年2月24日 17時) (レス) id: 33f8ec8fc5 (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - ルージアさん» そう言っていただけてとても嬉しいです…!これからも色んなキャラと関わっていくので、よろしくお願いします! (2021年2月20日 15時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
ルージア(プロフ) - やっべ、作法委員会の話を見ていたら…涙が…、応援しています!頑張って下さい!!! (2021年2月20日 15時) (レス) id: 66ff90a11a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リーヴル | 作成日時:2021年2月18日 11時