78.何も悪くない ページ36
富松作兵衛side
「許せなくて、融通が利かなくてすみません」と謝ると「当然のことだから謝らなくていいよ」と優しく笑ってくれた
改めてちゃんと話してみると分かる
Aさんは、数馬が言った通り優しく、三之助が言った通り俺たちの幸せや俺たちの存在を1番に考えてる人だった
『…そうだなあ、用具倉庫の作業は今すぐにしなければ行けない仕事?』
作兵衛「いいえ、直すものが多いはずなので修繕の仕事が優先です。」
『それを食満くんと浜守一郎くんの2人で引き受けてるんだ…。作兵衛くんさえ良ければそっちを今日の仕事にしませんか?私が足でまといになりかねないけど…。』
作兵衛「で、でも…。」
『それにね、食満くんが作兵衛くんに会いに来てないってことは、まだ一言も謝ってないってことだよね。』
作兵衛「え?」
『委員会のお手伝いを通して、実感したんだけどね、6年生って今まで誰一人として謝ってなかったんだ。彼らの事情も分からないわけじゃないんだけど…。』
なぜかAさんが少し怒っているように見えた
なんだか黒いオーラも見える
『それに…しんベヱくんたちにも話を聞いたんだ。4年生の浜守一郎くんの話題は全くと言っていいほどなかった。やっぱり4年生は何もしてないんだね?』
作兵衛「正解です。4年生は何もせず天女様のお側を離れず、ただ俺たちを見ていました。」
『…私じゃ頼りにならないかもしれないけど任せてくれないかな?だから2人の先輩を手伝いに行きませんか?決定権は作兵衛くんだよ。』
俺たちの話を聞いていたのだろう
喜三太、しんベヱ、平太が心配そうに辛そうに俺を見ている
1年を危険な目に会わせないという決意がずっと自分の中での縛りとなった
俺が守らなければと固く固く心に決めた
嫌だと言えば、きっとAさんは「それなら仕方ない」と言ってくれるだろう
でもそれは甘えだ
俺もこの固い頭を柔らかくして、歩み寄ることをしなくてはいけないのかもしれない
『…作兵衛くん、君が譲歩してはいけないよ。だって君は何も悪くないんだから。君がどうしたいかだよ。』
考えていることが分かったのだろうか
ハッとする
『元通りとはいかなくても、仲直りできるならしたい、そう思う気持ちが少しあればいいんだ。』
作兵衛「……わかり、ました。手伝いに行きましょう。…手伝いに行きたいです。それが俺の、心配そうにこっちを見てるあいつらの望みですから。」
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スイちゃんですよ〜☆ - だいすこです!(^^ω) (2023年1月24日 14時) (レス) @page50 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - 冴川冬香さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんで頂けて幸いです。冴川冬香さんのご病気が治るよう頑張って続きを書かせて頂かきますので、よろしくお願いします! (2021年2月24日 20時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
冴川冬香(プロフ) - 面白くて1から一気に読みました。57話見てから現在進行形で泣きじゃくっております……!続きが早く読みたくてたまらない病気にかかってしまったようで……。続き楽しみにしています!頑張ってください!! (2021年2月24日 17時) (レス) id: 33f8ec8fc5 (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - ルージアさん» そう言っていただけてとても嬉しいです…!これからも色んなキャラと関わっていくので、よろしくお願いします! (2021年2月20日 15時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
ルージア(プロフ) - やっべ、作法委員会の話を見ていたら…涙が…、応援しています!頑張って下さい!!! (2021年2月20日 15時) (レス) id: 66ff90a11a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リーヴル | 作成日時:2021年2月18日 11時