【忍たま】遠慮させていただきます。2

77.許すことは ページ35

作兵衛｢おめぇら来るのがおせぇぞ！｣

しんベヱ｢えへへ、富松先輩ごめんなさい。｣

『富松くん、ごめんなさい。2人とも私のこと迎えに来てくれてたの。』

作兵衛｢え？！あ、すみません！そうだったんですか。今日はよろしくお願いします。後、この間は何も言わずに立ち去ってすみませんでした！｣


ガバッと富松くんは頭を下げた


『あああ！そんな、頭下げなくていいですよ！しょうがないことですから！大丈夫ですから、ね？』

作兵衛｢…はは、数馬や三之助たちが言ってた通りだなあ…。｣


困ったように笑った
待って欲しい、数馬くんたち何を言ったんだ


作兵衛｢良かったら俺のことも名前で呼んでください。敬語も大丈夫ですんで！｣

『う、うん、作兵衛くん、分かったよ。ありがとう。』

作兵衛｢こちらこそ、ありがとうございます。｣

平太｢あ、あのう…。｣

『あ、下坂部平太くんだね。はじめまして。今日はよろしくお願いします。』

平太｢は、はじめまして…。伏木蔵たちから話は聞いてます…。よ、よろしくお願いします。｣


作兵衛くんの後ろから現れた
少し距離があるし、緊張気味ではあったが、笑顔で挨拶してくれた


作兵衛｢俺たちがやる今日の活動は用具倉庫にある道具の整理と壊れていないかの確認作業です。｣

『…俺たちがってことは、食満くんたちは別行動？』


そう聞くと、作兵衛くんは眉をひそめた


作兵衛｢…もう食満先輩や浜先輩は俺たちと一緒に活動しませんよ。それにあの人が何もなかったかのようにできるとも思いませんしね。…俺の顔すら見れないのか活動内容も顧問の吉野先生から聞いてます。｣


吉野先生って用具委員会の顧問だったっけ
事務室で秀作くんと一緒にいるイメージ強くて忘れてた
いやそんなこと考えてる場合じゃない


『食満くんは作兵衛くんを傷つけた？』

作兵衛｢3年は後輩が危険にさらされないように前に立ってましたからね…。殴られたり蹴られたりは何度かありましたよ。｣


藤内くんは立花くんに｢まだ許せない｣と
左門くんは潮江くんに｢僕にしたことは忘れない｣と
2人ともが言っていた意味を理解した
だから3年は素直に元通りすることが一番難しいのだ


作兵衛｢もちろん、ちゃんと受け身は取りました。それに先輩方も本気を出してはいなかった。本気だったら俺たちは無事じゃありません。｣

『…作兵衛くんは食満くんのことを許せませんか？』

作兵衛｢許すことはできませんね。｣

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