71.様子見 ページ28
団蔵「だ、大丈夫ですかね。」
田村三木ヱ門くんが出ていった後、心配そうに言う
『正直に言うと、私は不安しかない。』
佐、団「「えぇ?!」」
『かなり会計処理の書類は残ってるから、まだまだ時間はかかりそうですね。お茶をついできます。』
2人に顔を寄せて小さく声をかけた
『ついでに2人の様子を見てくる。団蔵くん、任暁左吉くん、2人でここに居られますか?』
佐、団「「大丈夫だ/です。」」
『じゃあ、行ってきます。』
田村三木ヱ門くんの歩いて行った方へ足を進め、部屋を後にした
――――――――――――
田村三木ヱ門side
あの天女は有無を言わさぬような口ぶりだった
私が左門を迎えに行っても意味ないだろうに…
声の聞こえる方へと歩く
左門はキョロキョロと辺りを見回していた
声はかけられず、その様子をじっと見る
『声かけないんですか?』
後ろから声をかけられて慌てて振り向いた
ここまで近づかれて気づかなかったなんて
どれだけ余裕がなかったんだと恥じる
三木ヱ門「…来るんだったら私は必要ないじゃないですか。」
『私は別件です。後は様子見です。』
三木ヱ門「なんだよ、様子見って。」
『左門くんが言ってました。田村先輩と潮江先輩は仕事の方が大事で、自分たちのことなんか気にしてないんだって。』
三木ヱ門「なっ!」
左門がそんなことを言っていたのか…
傷ついて苦しくなる
私がそんな感情を持つ資格はないというのに
『上級生を頼ることができない3年生は一身に後輩を守らなければという責務を背負いました。私には何があったのか詳しくは知りません。だからこそ、あなた達がしっかりと話し合うべきです。』
そんな簡単にいくわけがない
私は何も出来なかった
潮江先輩が左門を取り押さえた時も、じっと見ていただけだった
そんな卑怯な私が声をかけるなんてできっこない
『…田村三木ヱ門くん、後輩たちと話せなくなっても気にしないんですか?』
三木ヱ門「っ、そんなわけないだろ!!!あの時何も出来なかった私が!何事も無かったかのように話しかける権利なんてない!」
思わず叫んでいた
左門「田村先輩…。」
大きな声を出したから聞こえたのだろう
驚いてこちらを見ている
『…左門くん、田村三木ヱ門くんが君に話したいことがあるんだって。田村くん、言葉にしなければ何も伝わりませんよ。それでは、私はお茶を取りに行ってきますね。』
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スイちゃんですよ〜☆ - だいすこです!(^^ω) (2023年1月24日 14時) (レス) @page50 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - 冴川冬香さん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんで頂けて幸いです。冴川冬香さんのご病気が治るよう頑張って続きを書かせて頂かきますので、よろしくお願いします! (2021年2月24日 20時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
冴川冬香(プロフ) - 面白くて1から一気に読みました。57話見てから現在進行形で泣きじゃくっております……!続きが早く読みたくてたまらない病気にかかってしまったようで……。続き楽しみにしています!頑張ってください!! (2021年2月24日 17時) (レス) id: 33f8ec8fc5 (このIDを非表示/違反報告)
リーヴル(プロフ) - ルージアさん» そう言っていただけてとても嬉しいです…!これからも色んなキャラと関わっていくので、よろしくお願いします! (2021年2月20日 15時) (レス) id: 17c0458bc0 (このIDを非表示/違反報告)
ルージア(プロフ) - やっべ、作法委員会の話を見ていたら…涙が…、応援しています!頑張って下さい!!! (2021年2月20日 15時) (レス) id: 66ff90a11a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リーヴル | 作成日時:2021年2月18日 11時