26.不運というものは ページ29
『…そういえば。』
ふと保健委員の皆と話している時に気づく
乱太郎「どうしたんですか?」
『聞いていいものなのかわからないけど…。シナ先生から、前の天女のせいで上級生と下級生の仲が悪くなってしまったと聞いていたの。でも皆普通に善法寺くんと話しているから気になって。』
うーんと困ったように善法寺くんが眉を下げた
聞いてはいけないことだったのだろうかと不安になる
伊作「…実はね、なぜか僕は天女の術にかからなかったんだ。」
『え…。』
伊作「天女が来た時にちょうど風邪をひいていてね。風邪のおかげなのか天女の術が効かなかったんだよ。もちろん、ばれるといけないから、かかっているふりをして、命令にも従うふりをした。」
数馬「僕たちには術が効いてないことを教えていてくれたので、いじめられるふりをしました。」
伊作「術にかかったふりをして天女の近くに入れば、いつでも天女の首を切る事が出来るからね。まあ、それは叶わなかったんだけど。」
左近「早く伊作先輩が天女を殺してくれていれば、他のみんなは傷つくことはなかった…。」
数馬「左近…。」
『…どうして、叶わなかったんですか?』
伊作「僕が不運大魔王なんて呼ばれているのは知っているかい?」
『ああ、はい。』
伊作「不運というものは厄介でね。風邪をひいて術にかからなかったことは幸運だった。でも、殺そうとする度に僕の不運のせいで何かと失敗してしまった。その度に術にかかっている同級の皆に疑われて段々と身動きが取れなくなってしまったんだ。」
保健室は静まり返る
嫌なことを思い出させてしまった
何か言わなくては、ううん、私がここで何か言うのは違う、私が言ってなんになるのだ
『…でも、不運のお陰で、保健委員のみんなとの関係は壊れなかったんですよね。ならそれは、下級生にとって、まだ善法寺くんがいるという安心にもなったんじゃないんですか?』
伊作「え…」
『確かに何もできないままだったかもしれないけど、善法寺くんがしてきた努力をみんなは知っている。なら、善法寺くんがいたことで、下級生に希望を与えていたことだってあると思うんです…!』
左近「…そう、ですよ。伊作先輩のお陰で天女がいてもみんな頑張ってこられた部分もあるんですから…。」
その声にみんなが同意する
伊作「…っ、ごめんね、みんな。ありがとう…。」
善法寺くんは涙を流しながら微笑んだ
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Sora(プロフ) - 主さんのこの作品最後まで読まさせていただきました🙏🏻涙止まらなくてどうしようかと😅😂この作品を読んで私的に主さんの作品、Uverworldさんの『えくぼ』という曲がめちゃ合うと思いました👍🏻だいすきです (3月25日 23時) (レス) @page42 id: 7a82de3b69 (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - だいすしです!(^^ω) (2023年1月24日 13時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
スイちゃんですよ〜☆ - (^^ω)ッッッスゥゥゥゥゥゥゥだだダい好きィィデスゥゥ (2023年1月24日 13時) (レス) @page50 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リーヴル | 作成日時:2021年2月14日 14時