忍術学園の事務員はラナンキュラス (ページ38)

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すると顔に傷がある子がこちらに近づいてきて、何かを呟く

？｢もそ……もそもそもそ………｣
『？

“私は中在家長次だ
私もAとは仲良くなりたいから呼び捨てで呼んでほしい“？

わかった』
小平太｢長次の言ってることが分かるのか！？｣

何故か二人は驚いた表情でこちらを見た

『普通に聞こえるぞ？
まぁ、私は目が悪いぶん聴覚が敏感なのかもな』

耳を触りながら二人を見た

長次はAに近づいて、そっと抱き締めた

『？』
長次｢、、、、｣

私は彼の表情で察した

『そうか、声が小さいことで辛い思いをしてきたんだな』
長次｢ｺｸｯ｣
『ここまでよく耐えてきたな』ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

まるで赤子をあやすように優しい口調で背中を撫でた

小平太｢長次だけずるい！私も！！｣

ガバッと後ろから抱き締められる

長次｢小平太、うるさい…｣
小平太｢細かいことは気にするな！｣

二人の背中と頭を撫でる

どんなに大人びていても心はまだまだ子供なんだな

？｢二人ともなんでAを抱き締めてるの？｣

先程までケンカしていた四人が目を見開いてこちらを見ていた

小平太｢いやー、なんかつい｣
長次｢もそ…｣

小平太は豪快に笑いながら私の腰に手を回す
そして長次も

？｢おい小平太！
何さりげなく腰に手を回してんだよ！｣
？｢長次もだ！｣
小平太｢細かいことは気にするな！｣
？、？｢気にするわ！｣
？｢お前らはいい加減にしろ！！｣

と肌の白い子が怒鳴り付けた

『皆やめないか、私は別に気にしないから』
六年生(小平太以外)｢気にしなさい！！！｣

な、なんで！？
これって私が悪いのか！？

『あ』

ふと私はあることに気ずく

小平太｢どうしたんだ？｣
『いや、今気付いたんだが
なんで君たち六年生は全員はちまきを巻いてないんだ？』

そう、本来腕に巻いているはずのはちまきが六年生の腕には巻かれていないのだ

？｢あー、それはだな｣

白い肌の子が私の質問に答えようとしてくれた

『その前に君たちの名前を教えてくれ、ややこしい』
仙蔵｢それは失礼、
私は立花仙蔵だ｣
文次郎｢俺は潮江文次郎｣
留三郎｢俺は食満留三郎だ｣
伊作｢僕は善法寺伊作、よろしくね｣

顔と名前を一致させるために名前を繰り返した

『仙蔵君、文次郎君、留三郎君、伊作君だな
よろしく』
仙蔵｢私たちも呼び捨てで構わない｣
『わかった』

私は四人と握手をかわす