霊感少女と妖怪の世界 二の章

呪われた映画 プロローグ ページ39

薄暗い夜中、とあるホテル

男性「落ち武者？この東南アジアに？
まさか〜、あはは。」

老婦人「いいえ、嘘ではありません。奴らは20年に一度、霧の深い夜にジャングルの奥よりやってきて
若い娘をさらっていくのです…。

今夜は何を見ても決して部屋の中からお出にならないよう。では。」

そういうと老婦人が部屋から出ていった。

女性「本当かしら？今の話。」

その時、外から法螺貝の音が聞こえてきた。

女性「っ！」

男性「う、嘘だろっ！？」

男性が窓を開けると、霧深い森のなかから落ち武者たちがゾロゾロと行進していく。そして何故か
岡っ引きの姿が…。

？「カットー！」

岡っ引き「ええっ？」

映画監督「おいおい、何落ち武者の中に岡っ引きがいるんだ？」

岡っ引き「あ、あらら？いやだって時代劇だし〜。
これって大江戸大捜査線の撮影でしょ？」

？「何やってんの！！」

すると頭上から町娘が岡っ引きの頭にかじりついた。

岡っ引き「ぎゃあああっ！だだだっ！！」

町娘「私たちは第7スタジオよ！！」

岡っ引き「ひいいっ！ぎゃー！」

その様子を呆然と見る撮影者一同。

映画監督「ば、化け猫…？」

因みに岡っ引きがねずみ男、町娘は猫娘なのだ。

ねずみ男「ちょちょちょっと！離せよ猫娘！おいちょっと…。」

猫娘「静かにしなさいっ！」

猫娘にズルズルと引かれながら連れて行かれるねずみ男。

ーーーーーー

鬼太郎「やあ、人間の皆さん、僕はゲゲゲの鬼太郎です。実は僕、映画が大好きなんですよ！

…え？意外ですって？だってどんな恐ろしい出来事でも。映画なら安心して体験できるじゃないですか。でも…映画を作る人たちはそうもいきません。

撮影所という所は、色々と怖い噂がありますから。」

ーーーーーーーー

夕方、13スタジオの前を通る男性。髪がボサボサで見るからに浪人のような姿だ。
その男はスタジオに貼られている「クメール遺跡の亡霊」の張り紙をみる。

木村「やはり、またやっているんだな…。あの20年前と同じように…。」

〜回想〜

水たまりの中、一人の男性が蛇のようなものに絡まれもがいている。

大島「木村さんっ…！助けて！」

木村「大島！！」

大島「木村さん助けてっ…！」

木村「しっかり掴まれ！！っ！！！」

三つ目の蛇が口を開けて襲いかかった。

大島「うわあああぁ…！！」

目を閉じ、恐ろしい光景が蘇る。

木村「また繰り返すというのか…。」

呪われた映画 1話→←男！一反もめん 10話+次回予告「呪われた映画」

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