霊感少女と妖怪の世界 二の章

怪しき旋律！夜叉 5話 ページ21

そうして様子を見てみると、部屋の中から
流れてくるバイオリンの音が聞こえてくると、

ファン「はああ♡小夜子た〜ん♡愛してま〜す♡」

猫娘「ただのファンか…。Aちゃんの言った通りね。」

ねずみ男「小夜子たんの音色は誰だって心を揺さぶられま〜す♡」

すると鬼太郎の妖怪アンテナが反応した。

鬼太郎「妖気だ…。っ！」

その時、ライトを背に長髪の男がギターを持って現れ、ギターを弾き始めた。

鬼太郎「っ！！」

猫娘「夜叉⁉」

ファン「えっ。誰？」

その曲は小夜子の曲と伴奏しているように弾いており、ファンの男がギターの男の方へ歩いていく。

鬼太郎「間違いない！夜叉だ！」

鬼太郎はファンの男に駆け寄り、前を立ち塞ぐ。

鬼太郎「やめろ！夜叉！！」

すると男はニヤリと笑う。

鬼太郎「くらえ！リモコン下駄…。」

するとファンの男が鬼太郎の足を掴み鬼太郎は
地面に落とされた。ファンの男は足を掴んで離さない。

猫娘「ちょっと！アンタ離れなさいよ！」

A「鬼太郎さん！」

二人はファンの男を引き離そうとする。

猫娘「ねずみ男手伝いなさいよ！」

しかし耳栓をしているのか聞こえていない様子。

ねずみ男「はあ〜？」

猫娘「いつまで耳栓してんのよ！」

猫娘の鉄拳が炸裂した。

ねずみ男「ぎゃあああ！」

するとギター男が立ち去ろうとする。

鬼太郎「待てー！夜叉ー！！」

男はバイクに乗って逃走した。

鬼太郎「夜叉ー！！」

ギターケースからCDがばらまかれ、ファンの男は
何事もなかったような表情を浮かべている。

ファンの男「あれ？おたくら誰？」

猫娘「何にも覚えてないの？」

鬼太郎の妖怪アンテナはまだ反応していた。

鬼太郎「まだ微かに妖気が残っている！こいつを
辿っていけば夜叉に辿り着ける！いくぞ！」

鬼太郎は走り出し、猫娘もその後を追う。

A「鬼太郎さん、私小夜子さんが心配なのでここに残ってます！」

ねずみ男「鬼太郎！俺も小夜子ちゃんのガードにあたってるからな！ひひひ。」

その様子を小夜子はベランダからみていた。

ーーー

鬼太郎と猫娘は微かな妖気を頼りに追うと、
アパートの前にたどり着いた。外にはバイクが置かれている。

鬼太郎「奴のバイクだ！」

猫娘「この部屋が夜叉の根城…。」

鬼太郎「いくぞ！」

鬼太郎がドアを開けて踏み込む。

鬼太郎「夜叉！」

しかし、部屋はゴミだらけで誰もいなかった。

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