【男主】もう一人の六年生は任務中 玖【忍たま】

失う覚悟 三段 ページ28

side A

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『………っ……ひが…ん…』


土井「A！」


仙蔵「目が覚めたか！」



















あまりの懐かしさに意識が戻る。




瞼を上げれば視界に居たのは、

土井先生と仙蔵。




懐かしいと感じたのは

この二人の匂いか……？










いや、違うな



















文次郎「おい！ 仙蔵！ 早くAを連れて行け！」


長次「此処は任せろ」


伝蔵「行け！ 半助！」

















気怠さのせいか

言葉を発せない。




身体も動かず

辺りを確認することも出来ない。





けど、声だけで誰が居るのかは解った。











そして、再び

それは香り立つ。



















？「大人一人と餓鬼二人。相手が忍びなら容赦しない。もう一度言う。その子を返してもらおうか」


文次郎「さっきから、返せ返せって…！」


長次「Aは渡さない」



















そうだ

あの俳句の意味…






解らなかったんじゃない。

忘れていただけだ。



















『……ほと…とぎす……』


仙蔵「もういい、何も喋るな」


『俺は……鶴に…なれなかった…』


文次郎「A…？」



















振り絞る俺の声に

その場にいた全員の視線が集まる。








_____ 松島や 鶴に身をかれ ほととぎす ______








松島という場所に

ほととぎすの姿ではつりあわない。

鶴の衣を纏って優雅と表わせ。









俺は軋む骨から腱を動かし、

その場に立ち上がる。












意識を失っていた時に聞こえた声から

今になってその記憶は鮮明となる。



















___「その花には毒がある」___



















『……そう言ったんだ………



















____________…… あんたが…っ！』







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