【男主】もう一人の六年生は任務中 玖【忍たま】

失う覚悟 一段 ページ26

side 雑渡昆奈門

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与四郎「大切なものを失う覚悟だ」



















その言葉をまさか君が言うとはね。




Aくんと忍術学園での接触は確認していない。

それなのに彼はAくんの所へ行こうとする。






忍者とは、

如何なる時も優先されるのは任務の遂行。

しかし、己の身を危険に晒すのは御法度。



捕まれば自分の身は勿論、

相手に情報が渡ることになる。




忍者として、

それだけは絶対にあってはならない。





この場合、

自分と関わりの無い事態には首を突っ込まない。




が、風魔流の彼は違うようだ。



















留三郎「大切なものを失う…？」


乱太郎「私たちが行くには、その覚悟が必要ってことですか？」


伏木蔵「僕たちのせいで大切な何かが消えちゃうってこと？」


















まあ、そう捉えるのが自然だ。

だが、この事態はそう甘くない。



















雑渡「この闘いに関わる関わらないに関係なく、その覚悟は必要だ。」


伊作「……それって、つまり………」


伏木蔵「つまり、どういうことなんですか？」


与四郎「この場合「大切なもの」ってのは「A」の事になる。つまりAを失う覚悟。」



















辺りが静かになる。







風魔流の彼は

その言葉を並べた後、

私を鋭く睨んできた。






まったく、

勘が良すぎるのも問題か。



















与四郎「…………とりあえず、此処で話をするのは時間の無駄だ。こうしてる間にもAは毒に蝕まれる。」


留三郎「くっそ……、ここまで来て、行かないなんて選択肢があってたまるか…！」



















風魔流の彼の言葉に

全員の表情が引き締まる。




どうやら、

覚悟が出来たみたいだ。










その後、

私達は風魔流の彼の地理的は知識を含め

目的地への移動を開始した。








気付けば、

陽が顔を出し辺りが徐々に照らされる。




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