【男主】もう一人の六年生は任務中 拾【忍たま】

満月の噂 四段 ページ34

side 諸泉尊奈門

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諸泉「組頭、本当にこれでよかったんですか？」


雑渡「これでよかった、とは？」


諸泉「巻物を見つけた我々ではなく、風魔に陸前まで届けさせるなんて…」


雑渡「顔が知られている私たちが出向くより、風魔の彼らの方が適している」


諸泉「それはそうなんですが…」



















伊作くんから譲り受けた巻物を

風魔の忍者に託した組頭。




聞けば納得する理由…





タソガレドキが大きく動けば

直ぐにバレてしまう。






私たちは黒脛巾の忍者に

Aくんに関する内容で文を仕立て

巻物と一緒に届けるようお願いした。






不安を抱えながら、

風魔の情報を待つことにした。












そこから数日、

風魔から「確かに届けた」と情報が入った。




風魔の帰りを待つ間、

我々タソガレドキも独自に情報を集めていた。















雑渡「さて、彼が戻ってくるのも時間の問題だ。Aくんと会う前にやるべき事を片すとしよう」


諸泉「届いた文には、満月の丑三つ時に……と書かれています。」
















その時まで、

私たちは忍術学園の行動や

風魔の情報を受け取りながら

待つ事しかできなかった。















待てばその時はやってくる。



それは当たり前の事で、

何の疑いもなく目の当たりにする…




置き換えるなら「必然」








満月の夜と

その限られた時間にある丑三つ時。










黒脛巾の忍者は独りで姿を現した。





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___________…











雑渡「其方が送ってきた文には確かにAくんと巻物を交換と綴られていた。が、私はそれに対して返答していない。」


諸泉「此処にAくんを連れて来てない時点で、約束をしても結局は同じ事。」


安倍「…ﾁｯ………。巻物は何処だ」



















あの巻物に何が書かれてあったのか、

私は中を見ていないから解らない。




Aくんを交換として出せる程の

価値があるのか？








Aくんより価値が……



















雑渡「尊奈門」


諸泉「……は、はい！」


雑渡「此処で駄弁っていては時間の無駄だ。行くよ」



















組頭の一声で私たちはその場を後にする。





黒脛巾の存在を背にして、

二人で忍術学園を目指した。







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