背後の猛者 五段 ページ15
side A
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死んでしまった自分が辿り着いた場所は
何処か懐かしくて…
知らないはずなのに
前にも来たことある様な…
その場所に来る途中の記憶。
『………っ…』
暗い視界から
ふと、漂う香りに
意識が引き戻される。
寒い…
身体が一定のリズムで揺れる。
感覚で馬に乗っているのだと解った。
俺は何かに寄り掛かる形で跨っているようだ。
橘「………ごめんな…」
『…………』
その言葉で
さっきまでの出来事が鮮明になる。
全部覚えていた。
何一つ欠けることなく…
でも、
いつから此処にいるのかは解らない。
俺の背後で謝っている人物が
自分の父親である事はなんとなく…
俺はその謝罪に反応出来なかった。
悔しかった。
いくら父親であっても
俺が進むと決めた道を
無理矢理捻じ曲げるなんて。
よく解らないまま、
俺は再び目を閉じた。
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___________…
『絶対イヤだ。』
橘「ワガママ言うな！ 誰のおかげて助かったと思ってる！」
『それ以前にどっかの誰かさんのせいで死にかけた』
橘「安倍！」
安倍「はい、スイマセン(((」
長い旅路を終えて
大きな社に腰を下ろせば
繰り返させる会話は
毎日同じ。
俺は両手を後ろで縛られて
固く拘束されている。
けど、それだけ。
逆を言えば両手しか拘束されていない。
他は何故か自由だった。
橘「話を戻す。お前は黒脛巾組や一族に取って重要な存在だ。時が来ればこの土地を護り、如何なる災いにも立ち向かわなければならない。」
『それは俺じゃなくても果たせる』
安倍「A、何度も言うが黒脛巾組だけに関わった事じゃない。橘一族にとって重要ってのが問題なんだ」
真剣な空気に俺は
畳の上で胡座をかいて項垂れる。
血筋とか一族とか
俺にとっては今更だ。
やりたい事が沢山あったんだ…
俺は静かに言った。
『俺はあの場所に戻りたい…』
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鴫碧(プロフ) - 千雪(ーωー)さん» コメありがとうございます！ 近々続編出ますので、宜しくお願い致します！ (2022年12月3日 21時) (
レス) id: dea0075d52 (このIDを非表示/違反報告)
千雪(ーωー) - 鴫碧さんの小説の終わり方は凄く続きが気になる終わり方をしますね…更新が楽しみです！ (2022年12月3日 20時) (レス) id: 2c3e10b906 (このIDを非表示/違反報告)
鴫碧(プロフ) - 雪の華さん» コメントありがとうございます！ 着地点は決めているんですが、そこまでたどり着けなくてグダグダです…ww。小間目に更新していこうと思うので、これからも宜しくお願いしますm(_ _)m (2022年11月12日 0時) (レス) id: dea0075d52 (このIDを非表示/違反報告)
雪の華 - どんな展開になっていくか凄く気になりますね。これからも頑張ってください (2022年11月11日 21時) (レス) id: 5834c2d9fa (このIDを非表示/違反報告)
鴫碧(プロフ) - 千雪(ーωー)さん» お久です！ コメありがとうございます！ ドラマCDの与四郎さんとアニメの与四郎さんって全然違くて迷います…ww (2022年10月9日 21時) (レス) id: dea0075d52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鴫碧 | 作成日時：2022年10月8日 23時
