「キミ色、恋物語。」#6.17

◆６-N- ページ6

俺の席は、

窓から2列目の一番後ろの席。



隣には、



「菜々子、ここ！ここ分かんない！」


バカでどんくさくて天然な、

幼馴染の川瀬A。




家が隣同士だから、

幼い頃からずっと一緒にいた。



いつからだろうな…。




Aに特別な感情を抱き始めたのは。





多分もう…、


それはずっと前からなんだと思う。





毎朝、

Aを迎えに行ってんのだって、

別に頼まれたわけじゃない。




俺が一緒にいる時間を増やしたいって、

勝手に思ってるから。





菜「A、理解力なさすぎ！

これ以上分かりやすくなんて無理！」



「そ、そんなこと言わないでよ！」



菜「大体さ？

席が離れてる私に聞かないで、

隣の秀才くんに聞けばいいじゃない。」





秀才くんって…(笑)




小川が言った言葉に、

なぜかAの顔は、

りんごのように真っ赤に染まっていく。






菜「じゃあ、私やることあるから！」




そう言って、

小川は自分の席に戻って行った





期末テストも迫ってきているからか、

Aは最近よく勉強している。





小川が行ってしまったせいで、

教えてもらう人がいなくなって、

Aは困っている様子。






教えてあげるっきゃないか(笑)



そう思って声を掛けようとしたら、




Aが俺の方を向いて、

顔を赤く染めながら、






「和くん…、ここ教えて…？」



上目遣いでそう言ってきた。


和「……。」






こいつ…、小悪魔だな…。





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