朝 ページ19
.
入学からうやむやになっていた平野くんとのLINE交換を、昨日した。
廉くんとは、既にしていた。
私から言うタイミングを失って、諦めていた時、廉くんから、交換しようって言ってくれた。
毎日続いていたLINE。
おはよう、おやすみ、おつかれ、がんばろ。
昨日は、そんな些細な一言すら何も無かった。
なんのメッセージも来なかった。
私から送るのもなんだか気が引けて、2ヶ月ほど毎日続いていたLINEは、急に途切れた。
廉くんは話が面白くて、LINEも結構楽しかったのに……
廉くんに嘘をついている手前、そんなわがままは言えなかった。
昨日の夜、平野くんから、
紫耀明日の朝、迎えに行く。
とLINEが来ていた。
胸が高鳴る。私、平野くんと一緒に、、
朝は早く起きた。いつもより1時間も早い。
髪を丁寧にとかして、毛先だけ少し内巻きにした。
校則違反だけど、軽くチークとリップを付けて、
まつ毛を少しだけ上げた。
朝食を食べた後、リップが取れたことに気づいて、
ご飯食べてからリップつければいいのに。
そんなことにも気が回らないくらい、私、浮かれてる。
ピンポーン
とチャイムがなる。
母｢あらっ誰〜？こんな時間に、、｣
なんて言う母を差し置いて、
ガチャっとドアを開けると。
同じデザインの制服を着た平野くんが、うちの門にもたれかかって手を挙げた。
かっ、、、、こ、いい……
琥珀色の瞳、
ちょっと大きい鼻、
分厚く情熱をもった唇。
全てが、そこにいる平野くんの存在を眩しいほど私に知らしめていた。
紫耀｢おはよ、鈴木。｣
名前呼びは、あの1回だけだったのだと、ショックを胸に押し込んで。
あの人の顔なんか思い出さないようにして。
だって、今の平野くんは、私だけの平野くん。
大好きな平野くん。
｢おはよう、平野くん。｣
歩き出す。
2人、共に踏み出す。
ねえ、このままずっと隣にいてくれたらいいのに。
私の願いは、叶わないまま。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 86人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かなてん - 面白いですね、なんかめっちゃ切ない！！ つずき楽しみです (2019年4月1日 13時) (
レス) id: cb0c3fb79a (このIDを非表示/違反報告)
かなてん - 今日初めて見たんですけど、めっちゃ面白いです！！ (2019年4月1日 13時) (レス) id: cb0c3fb79a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：和 耀 | 作成日時：2019年3月10日 14時
