ウィンター・マジック (ページ6)

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06頭の中は貴方ばかりページ6

終礼後、ダッシュで階段を駆け下りる。

｢Aー？用事でもあるの？｣

教室を出る時、涼香が不思議そうに聞いてきた。

『うん、ちょっとね！』

意識不明の二宮先輩のお見舞いに行くって言っても止められそうだし。

(好きって思われそうだし...)

半信半疑って顔をしている涼香に手を振った。

階段を駆け下りていると、櫻井先生とすれ違った。

｢あんま急いでると、コケるから気をつけろよ(笑)｣

フッと笑っただけなのに...
相変わらずかっこいいなあ。

『はーい！』

って返事をしながら駆け下りる。

櫻井先生は顔はもちろん、行動もかっこよくて女子から人気の先生の1人だ。

そして私の＿

駅へ早歩きで向かい(走るのは無理だった)

タイミングよくきた電車に飛び乗った。

ガタンゴトン...

本当に病院にいるのかな？
朝みたいに電車に乗ってたりして。

｢せーかい｣

『うひぇ！？』

き、聞こえてる！？

パッと顔を上げるとあの幽霊がいた。

『に、二宮先輩！？』

｢なによ、うひぇって(笑)｣

『先輩が急に現れるからです！』

ああああ！恥ずかしい...

｢病院暇すぎて迎えに来ちゃった(笑)｣

いやいや、あなた意識ないんですからね！？

『暇って...当たり前じゃないですか！』

こんな素っ気ない返事しかできない女の子は嫌いだろうか。

そして気がつく。周りから見れば私はさっきから独り言を喋っていることに。

こんな時間だからか、私たち以外は誰も乗っていなかったけど。

『こんなに元気なのに...』

ぼそっと呟いた。

しばらく喋っていると、窓から“大野病院”の文字が見えてきた＿