46幸せとは【Sside】 ページ46
由紀を見かけたときはびっくりした。
大学卒業以来、連絡もとっていなかったし
なにより__
二宮と一緒にいたからだ。
共通点がわからなかった、あるはずが…
あった。由紀がすでに結婚していたから。
二宮の実家が大手の会社だということは学校でも有名だったから知っていた。
しかし兄がいてそいつが由紀の言っていた政略結婚の相手だったとは。
一応、元彼で同級生なんだから結婚式ぐらい呼んでくれたらよかったのに__と思ったがどうやらまだ式は挙げてないそうだ。
俺と由紀はお互い別の結婚相手がいるとわかっていながら付き合っていたし、別れるときはまだ好きだったけど仕方がないと割り切っていた。
俺は大学を出るまでAのことを知ろうともせず
むしろ避けていた。
なんで俺なのか、
こんな時代に好きな人と結婚できないのかって。
それとは反対に由紀は政略結婚に前向きだった。
“チョコ食べ放題かな〜！”
“背が高くて、少しドジでだけど優しい人”
そんな彼女が輝いて見えて少し羨ましかった。
由紀がAに接触していたことを正月に聞いて
止めさせようと思ったが…
由紀の連絡先がわからず、人付き合いが苦手なことを後悔した。
そしてついさっき非通知で着信があり、出てみると
懐かしい声がした。
由紀｢私。白石由紀。…今は二宮由紀だけど。｣
翔｢由紀…あ、お前Aのことなんで知ってるんだよ！｣
由紀｢まあまあそう焦らずに(笑)｣
翔｢お前の力を使えばそれぐらい簡単なことはわかってるけど。｣
由紀｢ごめんごめん。だって翔は婚約者のことなにも話してくれなかったじゃない？だから気になって調べたらまだ高校生！しかも義理の弟と同じ学校にかよってるなんて。｣
翔｢たしかに言ってなかったけど…｣
由紀｢でも本当にあの子と結婚するの？｣
翔｢俺はそうしたいんだけど、お宅の義理の弟さんがね…｣
由紀｢ああ…仲良かったみたいね(笑)｣
翔｢そうなんだよ〜まあおじさんよりいいよな…｣
由紀｢そんなことないんじゃない？あ、でも私Aに結構言っちゃった…｣
翔｢はあ！？なに言ったんだよ、｣
由紀はAを家に招いたときのことを話した。
由紀｢私もあとから後悔したし旦那にも怒られたよ…だから今日たまたま会ってちゃんと本当のこと話したから。｣
“まだ○○駅の近くにいると思うから迎えに行ってあげて”
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かげ。 | 作成日時：2018年3月31日 11時
