ウィンター・マジック (ページ42)

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42薬指ページ42

都会はすっかりバレンタイン一色だ。

涼香｢智くんの好きなスイーツとか知ってたりする？(笑)｣

『え～なんだろう…』

この間のファミレスでチョコレートパフェを食べていたことを思い出した。

『チョコは好きだったと思うよ。』

涼香｢チョコか～、定番だけど生チョコにしようかな…｣

しばらく歩いているとおしゃれなチョコレート菓子のお店が見えてきた。

なかなかの行列だった。

涼香｢A！ここ寄ってもいい？参考にしたいし、普通にチョコレートが食べたい(笑)｣

寒いけど並ばない…？と上目遣いで頼んでくる彼女に、女の私でも少しキュンとした。

『いいよ！私も食べたいし、列もだんだん短くなってるみたいだしね。』

数分後、思ったよりはやく店内に入れた。

涼香｢うわ～！チョコレートがいっぱい！｣

そのお店はチョコレート菓子を販売しながら

奥の小さいスペースでカフェをしていた。

店員｢いらっしゃいませ。寒い中お待たせして申し訳ございませんでした。どうぞごゆっくり。｣

涼香｢いやいや、思ってたより早かったですよ～
ね、A｣

『うん。はやく食べたいな～』

店員｢あれ？もしかして君、この前ぶつかった悩める少女じゃない？｣

え？ぶつかった…ってたしか背の高いお兄さん？

よく見たらたしかにそのお兄さんだ。

『またお会いするなんて！この前は失礼しました…』

涼香｢え、なになに！二人とも知り合い？｣

『いや、まあ…』

すると奥から聞いたことのある声がした

店員2｢雅紀！はやく通してあげて。｣

出てきたのは例の女性____

“白石由紀”だった。

目が合うと由紀さんも気づいたのか、

由紀｢！？なんであんたがここに…｣

雅紀｢こら、お客様に失礼でしょ？てか二人も知り合いなの？｣

由紀｢まあ…｣

私は気づいてしまった。

二人の左手の薬指に同じ指輪がついていることに。