ウィンター・マジック (ページ40)

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それはお正月まで遡る___

毎年、年末年始は親戚で集まることになっていたんだけど婚約が決まってからはみんな私と翔さんを強引にひっつけようとするから…

翔｢…｣

『…』

2人きりにさせられ｢ごゆっくり～｣なんて言われちゃったけど、この前のときから気まづい…

テレビをぼーっと観てると

翔｢あのさ、A。｣

『は、はい！』

翔｢あの日二宮と一緒にいた女の人なんだけど…｣

『元カノ、なんでしょ？』

目を丸くし、驚き隠せない様子の翔さん。

この珍しい光景にどこかで喜んでいる私がいる。

翔｢知ってたの…？｣

『うん…ちょっといろいろあって。』

こんな暗い空気の年末は初めてな気がする。

翔｢どこで知り合ったの？｣

『私のバイト先に由紀さんが来られて…』

はぁーーー

彼は大きなため息をついた。

翔｢昔からそうやってがっつくタイプなんだよあいつ…｣

…

“昔から”というワードがなぜか心に残る。

翔｢え、もしかして別れろ！とか言われたりしてない…？｣

『まあ、そんな感じのことは言われた(笑)』

翔｢まじ！？あいつ年上のくせに…もう…｣

年上、だね。2人からしたら私が子どもなだけなんだろうけど。

翔｢それもびっくりだけどAがバイトしてたのも知らなかったな～｣

『あ、それもごめんなさい。秘密にしてるわけじゃなかったけど翔さん、一応先生だから…』

うちの学校では、バイトは認められていないのだ。

翔｢ほんとだ！うわ悪い子(笑)｣

『だって部活も暇だし、涼香のお兄さんが店長だったからいいかなって(笑)｣

翔｢へぇ～…で、どこでバイトしてるの？｣

私の最寄り駅の近くのカフェだと教えた。

翔｢ここって結構人気のとこじゃないの？イケメン店長がいるとかで。｣

とさっそくネットで調べている。

『そうなの！その店長が涼香のお兄さんで…』

翔｢涼香…ちゃんって名字なんだった？｣

『え？“松本”だけど…』

翔｢松本か…｣