ウィンター・マジック (ページ39)

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39もうダメかなページ39

由紀さんに言われるがまま車に乗せられ、あっという間に高級住宅街へ。

由紀｢着いたわよ、降りてちょうだい。｣

そこにはいつしかのドラマでもみたような、大きな門があった。

中には家まで続く道があり、全面が芝生でおおわれている。

『やっぱりプールもあるんですね…』

由紀｢え？入りたいの？…いいけど寒いわよ？｣

『いや、遠慮させてもらいます…』

家に入ると高級そうなものばかりが目について

絶対壊しちゃいけないと思うと落ち着かない。

由紀さんのお部屋に案内してもらうと

そこには大きなシャンデリアとベッド、バッグにドレス…とtheお嬢様なお部屋だった。

『さすが社長令嬢ですね…』

由紀｢これでもだいぶ抑えてるわよ。｣

翔さんはこんな方とお付き合いしてたんだな…

私とはすべてが真逆なのに、どうして私のことなんか好きになってくれたのだろう…？

由紀｢○○…｣

本当は好きなフリをしてるだけなんじゃ…

由紀｢A！なにボーッとしてるの！紅茶かコーヒーどっちにするのよ！｣

『え！？ああごめんなさい！紅茶でお願いします…』

由紀｢もう、話ならたっぷり私にしてもらうんだから覚悟しておきなさいよ！｣

『ひぇ～！』

それから私たちはお互いのことを話した。

悔しいけど、由紀さんのお話はどれもとても面白かった。

翔さんとのエピソードや店長の話なんかも。

由紀｢で、あなたは翔のこと本当に好きなの？｣

『好きです。でも本当に、かは分かりません。』

由紀｢…というと？｣

『婚約者だから好きになっただけで、恋とは違うんじゃないかって思うんです。』

『だって10歳以上も離れてるし、由紀さんみたいに綺麗でもお金持ちでもない。なんの取り柄もない私を好きになってくれるはずがないじゃないですか！』

つい早口になり声も大きくなってしまった。

由紀｢本当にそう思ってるなら、ますます翔をあなたと結婚させることはできないわね。｣

『え…』

由紀｢今日はもう帰ってちょうだい。送るから。｣

『はい、お邪魔しました。』

広い車の中で1人、由紀さんは一体なにを伝えたかったのだろうかと考えた。

ますますってなに？自信を持てってこと？

もうわかんないや。

ああ、はやく大人になりたい。