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17ウィンターマジック ページ17
意識が…戻った…？
ベッドの上には横になってはいるけど、その綺麗な目を開けて家族の手を握り返している先輩がいた。
大野「よかった…ほんとに…」
笑みをこぼしながら、手で顔を隠しながら涙を流している。
そんな彼を見て私ももらい泣きした。
こんな奇跡みたいなことってあるんだな。
もしかして…
“ウィンターマジック”
直訳すると“冬の魔法”
いつしか本で読んだんだ。
冬になると冬の精たちが1人だけ魔法で危機から救ってくれるって。
この奇跡はきっと冬の魔法のおかげだ。
小さな子どもを救ったヒーローはそんな簡単に死なないよね。
ドアのそばで2人で泣いていると先輩のお母さんに
こっちにおいでと手招きされたので先輩の隣に座った。
先輩は一瞬驚いた顔をしてゆっくり微笑んだ。
そしてゆっくり口をパクパクさせてこう言った。
「幽体離脱できなくなっちゃった。」
『ふふっ』
思わず笑っちゃったよ。
ちゃんと幽霊になってた記憶もあるんだね。
でも心配しちゃうから、もう幽霊にはならなくていいからね？
心の中でそう呟いた＿
1週間後、先輩は大野病院を退院した。
その日はちょうどクリスマス。
退院祝いも兼ねて私と先輩と大野くんでクリスマスパーティーをすることになった。
するはずだった…
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作者名：かげ。 | 作成日時：2018年3月31日 11時
